巨人の阿部慎之助監督が15日、東京・大手町の読売新聞東京本社を訪れ、山口寿一オーナーにシーズン終了の報告を行った。

 リーグ連覇を目指した今季は70勝69敗4分け貯金1で3位。

クライマックス・シリーズ第1ステージ(横浜)はDeNAに連敗で敗退し、日本シリーズ進出と13年ぶり日本一を逃した。

 オーナーとの対話を終えた阿部監督は「いろんな来年に対しての提案もしてくださったりとか、あとは提携しているヤンキースの話もしてくれたりとか。いろいろ勉強になりました。僕からも今シーズンの総括じゃないですけど、悪かったところだったりを全部洗い出して、話をさせていただきました」と話した。

 ヤンキースの話の中では「メンタル系の方を重視して入れているという話を聞いて。で、ジャッジとかが良くなったみたいな話をされたので。今やっぱりSNSとか誹謗中傷とか多い中で、選手を守るという球団の対策でやったみたいなんだけど。日本も一緒でね。ひどいからね。そういう対策を提案されたんだけど。それは球団として動いてくれると思うので」とメンタルカウンセラーのような専門家を招く方針を示唆した。

 今季はソフトバンクからFAで甲斐拓也捕手を獲得。

前中日の守護神ライデル・マルティネス投手、前楽天の田中将大投手と契約して超大型補強で戦力を整えた。

 4月終了時は貯金5の首位。だが、5月7日に不動の4番・岡本が左肘じん帯損傷で登録抹消になり、次戦の同9日ヤクルト戦(神宮)で敗れて首位から2位に後退。それ以降、一度も首位に立てず、優勝争いにも加われなかった。独走で優勝した阪神には8勝17敗と大きく負け越し、15ゲーム差をつけられた。

 岡本が離脱した約3か月の間は吉川、キャベッジ、大城卓、丸、増田陸、坂本が日替わりで4番に入り打線を試行錯誤。だが、得点力不足に苦しんだ。丸が右太もも裏肉離れで開幕から2か月出遅れ、吉川もシーズン途中に腰痛と右脇腹痛で離脱するなど故障者が続出。坂本、ヘルナンデスら主力の不振も響いた。若手の出場機会が増えて貴重な経験を積む一方、走攻守でミスが増加した。

 投手では2年連続開幕投手の戸郷翔征投手が不調で2度の2軍降格があり8勝9敗と苦戦。山崎伊織投手が11勝4敗とフル回転したが、期待された井上温大投手は4勝8敗、赤星優志投手は6勝9敗など先発不足に苦しんだ。

8回大勢、9回マルティネスの勝利の方程式は鉄壁なだけに、来季へ先発整備が課題になる。

 悔しいシーズンとなったが、外野に本格挑戦して自己最多7本塁打を放った中山礼都内野手ら若手に明るい材料はある。3年契約3年目の来季続投はシーズン中に山口オーナーが明言していた。来季チームを立て直して2年ぶりリーグ優勝と14年ぶり日本一に挑む。

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