◆2025 JERA クライマックスシリーズ セ最終ステージ第1戦 阪神2―0DeNA(15日・甲子園

 やることなすこと全てうまくいく。阪神のいい流れはポストシーズン初戦でも変わらなかった。

試合を決めたのは近本の三盗だ。6回1死二塁、森下の打席の初球。けん制はないという確信があったのだろう。東がモーションに入る前に早すぎるぐらいのスタートだった。甲子園の大歓声で内野手の声が東に伝わりづらかったが、マウンドを外していれば、アウトになるタイミングだった。

 三塁に走者を置いた東はリズムを崩し、不運なヒットも重なり2失点。2点目は5回無死一塁に代走で起用した小野寺の適時打だから、藤川監督からすれば笑いが止まらない。しかも、その代走も、あわやけん制死だった。一塁・牧がリクエストを要求するほど微妙なタイミングだったが、判定は覆らず回ってきた打席でヒーローになった。

 この流れをつくったのは先発の村上だ。第1ステージを勝ち上がり、勢いのあるDeNA打線に毎回のようにチャンスをつくられ、5回まで103球を要したがギリギリのところで踏ん張った。6回からは及川、石井の左右の中継ぎエースを回またぎさせての盤石リレー。

日本シリーズ進出をあっさり決めそうな強さだ。 (スポーツ報知評論家・金村 義明)

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