シーズンで最も活躍した先発投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長=元巨人)が27日、都内のホテルで開かれ、日本ハム・伊藤大海投手の受賞が決まった。委員会後の会見で、堀内委員長は来年から選考基準7項目のうち、完投数を10から8に、投球回を200から180に変更すると発表した。
同委員長によると来年、沢村賞が80周年を迎えるにあたり、選考基準について議論してはどうかという声が内部から上がり、6月23日に選考委員が都内のホテルに集まり、選考基準の見直しに関する検討会議を開催するなどして、2項目の変更が決まった。
15勝以上、150奪三振、防御率2・50以下、25登板、勝率6割以上の5項目は来年も現行通りで、2018年から参考基準として採用されている日本版クオリティースタートも引き続き考慮する。同委員長は「今後も5年をめどに選考基準を検証し、議論していく」とさらなる基準変更の可能性も示唆した。
同委員長は「沢村賞は先発完投型の本格派投手に贈られる最高の栄誉として、80年にわたり、伝統を受け継いできました。しかしながら、近年のプロ野球では完投数や投球イニング数は減少傾向にあります。中継ぎ、抑えの分業化が進んだこともあります。先発投手が最後まで投げきる機会が減少しています。現行基準では達成が著しく困難な状況であることは明らか。選考委員からは沢村さんの名前を冠した賞として、選考基準がその名にふさわしいものでなければならないという意見が出る一方で、野球を取り巻く環境の変化により現行の選考基準との乖離はいなめず、見直しは必要だという意見もありました。最終的には伝統や理想と時代性を両立させながら、沢村賞の理念に沿う形で選考基準を見直すことで一致しました」と理由を説明した。
山田委員は「本心は今までの200イニング、10完投は置いておいてもいいだろうと。私の考えではあったのですが、ピッチャーを取り巻く事情が変わってきているのは確か。
斎藤委員は「私も最初は変えなくてもいいのではないかという意見でした。今までも(基準を)達成しなくても、沢村賞を頂いてる人はいたと思うので。それ(変更は)時代の流れなのかなということで、最終的には了承して決定いたしました」と明かした。
◆沢村賞 正式には「沢村栄治賞」。プロ野球創成期に活躍した故・沢村栄治氏(巨人)の功績をたたえ1947年に制定された。2リーグ制となった50年からはセ・リーグの投手が選考対象だったが、89年から両リーグに広げられた。選考基準は〈1〉15勝以上の勝利数〈2〉150以上の奪三振数〈3〉10以上の完投試合数〈4〉2・50以下の防御率〈5〉200イニング以上の投球回数〈6〉25以上の登板数〈7〉6割以上の勝率※日本版クオリティースタートの達成率を含む他の成績も考慮して選考する。選考委員は堀内恒夫氏、平松政次氏、山田久志氏、工藤公康氏、斎藤雅樹氏。受賞者には金杯と副賞300万円が贈られる。










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