◆第172回天皇賞秋・G1(11月2日、東京競馬場・芝2000メートル)

 東京・芝2000メートルはスタートして2コーナーまでの距離が短いため、内枠有利とはっきりしているコースだ。実際、過去10年の天皇賞・秋では、2ケタ馬番の勝利はなく、9番以内に入った馬しか優勝していない。

 展開面を推理すると、宝塚記念を逃げ切ったメイショウタバルは13番枠に入った。武豊騎手は29日の記者会見で「逃げると決まっているわけではない」と話していたが、先週に取材した時には「折り合いがついて回る馬。どこが一番折り合うかというと、ハナかな」とコメント。持ち前のスピードを考えても、外枠でもハナを切ると考えるのが自然だ。

 昨年の当レースで3着に逃げ粘ったホウオウビスケッツ(8番)が、どこまで追いかけるかによってペースは変わるが、メイショウタバルは瞬発力勝負を避けたいはずで、緩めずに平均的なラップを刻みそう。少なくとも極端なスローペースにはならないと読んでいる。

 そこで好位から中団で流れに乗れる馬が狙い目となる。5番枠を引いたタスティエーラは昨年の2着馬。当時は天皇賞・春以来の休み明けだったが、4番枠から好位で流れに乗って、直線でも確実に脚を伸ばしていた。今回も春の香港遠征から間隔は開いているが、力を出せる態勢にはある。ここ3戦を見ると、すっかり安定感も出てきて、怖い存在だ。

 もう1頭、30日の追い切りが抜群だったセイウンハーデスを挙げる。

不利な外目の12番枠だが、前走のエプソムCが16番枠からの完勝。担当する千野助手も「跳びが大きくて包まれるのは嫌だから、むしろ外でいいかも」と歓迎した。3歳時のプリンシパルS、そして前走と、東京で結果が出ているのも好材料。どうも一筋縄ではいかない雰囲気を感じる。もう1日、考えて結論を出したい。(山下 優)

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