◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 今年1月の箱根駅伝で青学大は2年連続8度目の優勝を果たした。今季初戦の出雲駅伝(10月13日)では年度またぎの連勝を狙ったが、7位。

3大駅伝では12年度(13年)の箱根8位以来、13季ぶりの低い順位に終わった。

 第2戦の全日本大学駅伝(2日)では3位まで盛り返したが、優勝争いに絡むことがなかった。原晋監督(58)は「箱根は勝ちますよ!」と威勢が良かった。ただ、それは表の姿で、裏の姿もあるはず。翌朝にチームミーティングがあると聞き「途中までで十分なので、取材をさせていただきたい」と打診すると、許可を得られた。

 伊勢路の戦いから約20時間後。前日、原監督はメディアの前では軽い調子で話していたが、東京・町田市の選手寮では、箱根で勝つため、重い雰囲気の中でミーティングが行われていた。

 指揮官は全8区間を細かく分析。出場した8選手はレースの感想、箱根に向けた抱負などを求められた。

 「最後の箱根は勝って終わりたい」(黒田朝日)、「箱根では朝日ひとりに頼らず、チームみんなで勝てるように頑張りましょう」(荒巻朋煕=ともき)。4年生の言葉は、引き締まった空気にビンビンと響いた。

 ミーティングが始まって約30分。

「じゃあ、竹内記者はここまでだね」という原監督の言葉を受けて、選手寮を辞去した。その後、箱根の区間配置案や練習計画などさらに重い話し合いが行われたという。

 勝負は時の運。青学大が箱根駅伝3連覇を成し遂げるか。それは分からないが、少なくとも優勝争いに絡むことは確信した。(箱根駅伝担当・竹内 達朗)

 ◆竹内 達朗(たけうち・たつお) 1992年入社。東洋大で箱根駅伝に3回出場し、3回凡走。入社23年目の2014年から念願の箱根駅伝担当。

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