侍ジャパン井端弘和監督(50)が17日、WBCを主催するWBCIに対して来年3月のWBCへの招集を希望するMLB所属の日本選手のリストを9月に提出済みで、出場可否などの返答を待っている状況と明かした。リストにはドジャース大谷翔平投手(31)、山本由伸投手(27)ら現役メジャーリーガー全員の名前を記載。

選手選考、決定を速やかに進めるためにも、一刻も早い返答を望んだ。

 次回WBCの侍ジャパンメンバーに関して、さまざまな情報や思惑が交錯している状況で、井端監督が新たな事実を明らかにした。侍ジャパンがWBC招集を望んでいるMLB球団に所属する日本選手のリストを、大会主催者のWBCIに対して9月に送付したという。

 リストには「予備枠を含めて入れておかないといけない部分もあるので全員、名前は書いています。皆さんが思っている選手は入っています」とドジャース・大谷、山本、佐々木やカブス・鈴木ら日本人の現役メジャーリーガー全員の名前を記載した。

 メジャーリーガーがWBCに参加するためには、各選手がWBCIと出場契約を締結する必要があるという。このため、WBCIがMLB、所属球団を通じてリストに名前のあった各選手に通達し、出場の意向などを確認する流れだが、11月中旬になってもWBCIからの返答は来ていない。

 「(主催者が選手から)聞き取り調査をすると言ったけれど、まだ誰もしていないという現状だと思う。MLBが動いてくれないことには。本人らも何も言われていないので、そこから発展しないですよね。一日でも早く返事はほしい」と願った。こうした事情も影響したのか、大谷は13日(日本時間14日)、WBC出場について「まだ個人間ではやりとりができないので、球団とどうなるかというのを連絡を待っている段階。

これから先、決まっていくことかなと思っている」と明言を避けた。

 指揮官は当然、大谷、山本、鈴木らメジャー組を主力に位置づけるだけに、出場可否がチームの根幹を大きく左右する。分かり次第、本格的にWBC出場選手の選考に入り、早ければ年内にも決定して当該選手に伝達したい考えだが「(返答を)待っていたら遅くなってしまう。ある程度シミュレーションをしながら日本(NPB)の選手選考は並行してやっていかないと。準備も含めて、選手に一日でも早く伝えられたらいい」とWBCIからの返答を待ちながら15、16日の韓国戦(東京D)に出場した選手の結果を踏まえ、コーチとともにNPB所属選手の絞り込みも同時に進めていく。(阿見 俊輔)

 〇…15、16日の韓国戦(東京D)を1勝1分けで終えた井端監督はアマ野球関係者にあいさつをするため、明治神宮大会(神宮)を訪問した。韓国戦で実力を示した西川、佐々木、金丸のルーキーズについて、「(WBCの)候補であることは間違いない」と評価。野手の西川、佐々木は厳しい状況だが、金丸は第2先発要員として抜てきされる可能性はある。

 ◆23年WBCでのメジャー勢の参加 23年大会時は、大谷が22年11月17日にSNSで出場の意思を公表。ダルビッシュも12月6日、鈴木も同8日にSNSで公表し、23年1月6日の12人の先行発表で3人は名を連ねた。吉田は22年オフにレッドソックスへ移籍した経緯もあり、侍ジャパン側は慎重を期していたが、本人の強い希望によって23年1月5日に参加が正式決定。ヌートバーも同11日に、栗山監督が招集を明言した。

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