◆第45回ジャパンカップ・G1(11月30日、東京競馬場・芝2400メートル)

 豪華メンバーがそろう大一番でも、伏兵の一発に期待したくなるのが人情だ。前走の天皇賞・秋で10着に敗れたブレイディヴェーグ(牝5歳、美浦・宮田敬介厩舎、父ロードカナロア)が、あえてジャパンCに挑む陣営の意欲を買いたい。

来春の引退が近づいているなか、レースの選択肢が少なくなっているとは言え、決してノーチャンスという気持ちでジャパンCに挑むわけではないだろう。

 調子の良さもあって4番人気に支持された前走は、4角13番手から直線で内を突き、前が壁になって不完全燃焼と言える内容だった。それでも宮田調教師は「勝ちを狙って馬群に突っ込んでくれたんですけど、スペースができなかった。ただ、フィニッシュラインに向かう姿を見ていても、十分に脚はあったなと思える0秒5差だったので、個人的には全然力負けではないと思っています」と前を向き、手応えをつかめた様子だった。

 23年エリザベス女王杯でG1初制覇後、脚部不安による長期休養から復帰した後は、主に1600~1800メートルを使われてきた。芝2400メートルまで距離を延ばすのは初めてだが、広い東京コースで自慢の末脚を発揮できれば侮れないとみる。指揮官が「馬の体調は引き続き動ける文句ない状態できています」と語るように、中3週でも具合は良さそう。週末まで夢を見たいと思っている。(坂本 達洋)

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