公益財団法人日本プロスポーツ協会は17日、「第55回 内閣総理大臣杯 日本プロスポーツ大賞授与式典」を都内で開催し、内閣総理大臣杯日本プロスポーツ大賞にドジャース・山本由伸投手(27)を選出したことを発表した。

 23年にWBC日本代表が受賞したことはあったが、野球選手が個人で同賞を受賞するのは18年のエンゼルス1年目で新人王に輝いた大谷翔平投手以来7年ぶり(19~21年は表彰なし)。

昨年はパリ五輪で金メダルに輝いたやり投げの北口榛花が受賞していた。山本は壇上で「本日はこのような素晴らしい賞を受賞することができ、とても光栄に思います。選考に関わってくださった皆様、本当にありがとうございます。今シーズンは、東京で開幕を迎えることができ、10月には2度目のワールドシリーズを経験させていただき、自分自身とても成長を感じられるシーズンを過ごすことができました。来シーズンは、この賞の名に恥じぬよう、全力を尽くしてまた頑張っていきたいと思います」とコメントした。

 日本プロスポーツ協会会長の麻生太郎氏は「山本由伸投手がMLBで世界最高の舞台で圧倒的なパフォーマンスを示してくれた。日本の選手が世界のトップレベルであることを、ファイナル(ワールドシリーズ)でMVPに輝いて証明してくれた」とたたえた。

 メジャー2年目だった山本は、3月に東京ドームで行われたカブスとの開幕戦で開幕投手を託されて白星発進すると、チームで唯一先発ローテを1年間守り抜いて30登板で12勝8敗、防御率2・49と安定した成績を残して、誰もが認めるチームのエースに成長し、サイ・ヤング賞投票でも3位に入った。

 さらに圧巻の活躍を見せのはポストシーズン。24年ぶりの偉業となる2試合連続完投勝利を挙げるなど、6登板で5勝1敗、防御率1・45。特にワールドシリーズでは第2戦で4安打1失点の完投勝利を挙げると、負ければ敗退だった崖っぷちの第6戦で6回96球を投げて5安打1失点で勝利投手になった。さらに3勝3敗で迎えた第7戦では、「中0日」で9回途中からリリーフ登板。

延長12回まで無失点で抑える気迫の投球を見せて胴上げ投手となった。ワールドシリーズはチームの4勝のうち、3勝を挙げる大車輪の活躍で、シリーズMVPにも文句なしで選出された。

 来年3月に行われる第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場する見込みとなっている。

 ◆2000年以降の内閣総理大臣杯日本プロスポーツ大賞受賞者

 2000年松井秀喜(巨人)、01年イチローマリナーズ)、02年サッカーW杯日本代表、03年松井秀喜(ヤンキース)、04年朝青龍、05年朝青龍、06年WBC日本代表、07年浦和レッズ、08年石川遼、09年石川遼、10年白鵬、11年サッカー女子W杯日本代表、12年阿部慎之助(巨人)、13年田中将大(楽天)、14年錦織圭、15年ラグビーW杯日本代表、16年大谷翔平(日本ハム)、17年ソフトバンクホークス、18年大谷翔平(エンゼルス)、19~21年表彰なし、22年井上尚弥、23年WBC日本代表、24年北口榛花、25年山本由伸(ドジャース)

編集部おすすめ