◆第70回有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル)

 【ジャパンC=レース評価・A】レコード決着のなか、3着に踏ん張ったダノンデサイル。天皇賞・秋で2着のミュージアムマイルのレーティングが119だったのに対し、勝ったカランダガンが130を記録したJCでダノンデサイルは125。

マスカレードボールをものさしにすると、ミュージアムが2ポンド差、ダノンは4ポンド差だが、7着でも120をマークした世界決戦が前哨戦としては上位だ。

 レースはセイウンハーデスが飛ばし、前後半69秒2―71秒1。絶好馬場に加え、18年のJCでのアーモンドアイの旧レコード(2分20秒6)時の71秒7―68秒9との比較ではレースが流れて、差し決着に。ダノンデサイルは道中同じような位置にいた上位2頭から2馬身半差。1角手前から向こう正面の半ばまで力んだことが最後の伸びの差に出た。とはいえ、速い流れのなかでの切れ勝負に対応し、中盤までパワーをロスしながらの3着は底力のなせる業だ。

 ただ、前述通りにレースそのものを高く評価すべきで、今年の有馬記念はJC組を“箱押し”した方が得策とみる。

 【エリザベス女王杯=レース評価・A】2200メートルになった96年以降で、京都開催で最速の勝ち時計。最初の1ハロンを除き、最も遅い1ハロンが12秒3で極端に落ち着いた区間はないうえに、ラスト3ハロンは11秒8―11秒6―11秒6。長くいい脚を使えるレガレイラの特性が生きる流れだったにしても、中団から直線で外を鮮やかに突き抜けた。

 ちぐはぐで勝ち切れなかった昨年と違い、ロングスパートを決めてのVは、連覇を目指すグランプリを前にして文句なし。117のレーティングは走破時計が0秒1遅い24年勝ち馬スタニングローズの112との比較でも高く評価されている。

 【アルゼンチン共和国杯=レース評価・A】ミステリーウェイは後続を離して逃げ、勝負どころで引きつけてラスト3ハロンを11秒5―11秒5―11秒6でまとめて重賞初V。逃げ切りは09年のミヤビランベリ以来16年ぶり。ハンデ重賞らしく12着でも0秒4差の接戦だったが、確かな力を示しての快勝と言っていい。

 7歳を迎えて〈3〉〈2〉《1》〈4〉《1》《1》着。3勝クラスから一気に重賞ウィナーへ駆け上がった姿は、15年の有馬記念を制したゴールドアクターとダブる。年齢こそ7歳と4歳と違うが、2勝クラスから一気に重賞勝ちを収めた勢いで、グランプリを射止めた先輩に続くか。(中野 達哉)

 【該当レースから出走予定の各馬評価】

ダノンデサイル   G

ジャスティンパレス A

タスティエーラ   A

シンエンペラー   A

レガレイラ     A

ライラック     A

ミステリーウェイ  A

コスモキュランダ  B

サンライズアース  C

アドマイヤテラ   ―

※評価は上位順にレースはA~C、馬別はG~Cとなります。

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