◆第70回有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル)=12月28日、栗東トレセン

 デビュー5年目で年末のビッグな舞台に挑む。松本大輝騎手=栗東・森秀行厩舎=が、前走のアルゼンチン共和国杯で人馬ともに重賞初制覇を飾ったミステリーウェイ(セン7歳、栗東・小林真也厩舎、父ジャスタウェイ)とグランプリに参戦する。

「G1だから違う乗り方とかは出来ないですし、(有馬記念は)普通に乗るのも難しい場所だと思う。なるようにしかならないので、気負わず乗りたい」。23年高松宮記念のディヴィナシオン以来、2度目のG1騎乗を前に平常心を強調した。

 現役で最も高い身長176センチ。小柄な関係者の多い栗東トレセンで、ひときわ目立つ存在だ。1年目18勝、2年目32勝と順調に滑り出したが、3年目9勝、4年目8勝と騎乗数、勝ち星ともに減らした。そんな苦境に「このままでいいのか?」と叱咤(しった)激励してくれたのが騎手の先輩・藤岡佑介騎手。積極的に騎手の先輩や調教師とコミニュケーションを取り、アドバイスも求めるようになったことで、今年はここまで24勝。白星の大幅アップにつながっている。

 「特に勝ちたいレースとかはないですが、有馬記念は注目度の高いレース」と力を込めた若武者。気性的に難しい面のある相棒を、気分良く走らせることを心がけた結果が近2走の大逃げでもある。「今回もこの馬のリズムを崩さないように運びたい」。

ファンの度肝を抜く積極策で、ビッグな配当の使者になる。

 なお、25日に東京都内で開かれた公開枠順抽選会に参加した松本騎手は、自らくじ引きへ。引く前は「5か6番枠が欲しいです」と話していたが、6枠11番となってしまった。それでも「思っていた枠と違ったので、考えて乗りたい。馬の力を信じて、馬のリズムを大事にしていい競馬を出来るように頑張ります」と気合。隣で見守った小林真也調教師も「行くだけ行け。それだけです」と若武者にエールを送った。

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