◆第70回有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル)

 暮れのグランプリ、有馬記念を担当するヤマタケ(山本武志)記者の「考察」追い切り編は、牝馬で史上初の連覇を狙うレガレイラに注目した。

 今年の「考察」を託されたのは昨年、レガレイラを本命に指名したからだと思う。

当時はこう書いた。「脚の爆発力で勝負するタイプで中山替わりは魅力」。その思いは今も強く、中山へ戻る点は大きな歓迎材料だろう。

 ただ、今年は気になる点も多い。昨年の好位からの抜け出しは全くの想定外だった。年長牡馬と4キロ差の斤量54キロを生かした戸崎の好騎乗に尽きる。過去5年で3着以内15頭中11頭が4角で5番手以内。やはり、位置はほしい。今秋の2戦は後方からの末脚勝負。昨年から2キロ増の56キロでゲートの不安もまだある。ポジションを取れるかは微妙だ。

 さらに、ここまで重賞連勝中だが、2走前のオールカマーは得意の中山で重賞ウイナーは他に2頭のみ。

エリザベス女王杯は他にG1ウィナーが1頭のみで、前哨戦の紫苑S8着だった3勝クラスのリンクスティップが“先物買い”される形の2番人気だった。正直、メンバーは薄かった。内容は優秀でも、近2戦で上位人気に推されるなら素直には従えない。

 有馬記念はリピーターがよく来ると言われるが、牝馬は決してそうではない。過去40年で2回以上走った馬は12頭いるが、前年から着順を上げたのはダイワスカーレット1頭のみ。ヒシアマゾンも、エアグルーヴも、クロノジェネシスも翌年は着順を下げた。タフな中山・芝2500メートルで、牝馬が繰り返し好走することは難しい。今年は1番人気濃厚のレガレイラだが、本命にするつもりはない。(山本 武志)

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