◆第20回ホープフルS・G1(12月27日、中山競馬場・芝2000メートル、良)

 第42回ホープフルS・G1(芝2000メートル)は27日、中山競馬場で行われ、7番人気のロブチェンがゴール前で差し切り、17年のG1昇格後で初となるキャリア2戦目での勝利。一気に来春のクラシック有力候補に躍り出た。

新種牡馬ワールドプレミアは産駒の重賞初出走でV。松山弘平騎手(35)=栗東・フリー=は14日の阪神JF(スターアニス)に続く2歳G1勝利となった。

 鮮やかな末脚で1戦1勝馬が2歳中距離王に輝いた。内ラチ沿いをロスなく立ち回ったロブチェンは、最後の直線で前が開かないとみるや、すぐさま進路を外へと切り替えた。そこからは独壇場。左ムチ2発でエンジンを点火させると、急坂をものともせず駆け上がった。ラスト3ハロンメンバー最速タイの34秒5。フォルテアンジェロに並ぶ間もなくかわして3/4馬身差をつけた。松山は「最後はかわしてくれという気持ちと、届いてくれという気持ちでした」とパートナーの踏ん張りをたたえた。

 リベンジを果たした。松山は昨年も杉山晴調教師が管理するジョバンニと参戦し2着と涙をのんだ。ゴール後は拳を突き上げ、興奮気味に喜びを表現。

「すごくうれしくて、こみ上げてくるものがありました」。自身は阪神JFのスターアニスからいい流れで迎えた2歳G1を再び制し、今年のG1・3勝目。ラストランのタスティエーラと挑む有馬記念へ最高の弾みとなった。

 杉山晴調教師は1日残してリーディングトレーナーが確定したが、今年は2着4回と大舞台では惜敗が続いていた。「勝てないかなという感じもありましたが、1つ勝てて良かった」。歯がゆい結果に終止符を打つ勝利に、安どの言葉が口を突いた。同馬の父ワールドプレミアは産駒重賞初挑戦でG1初制覇の快挙となった。

 「普段は無駄なことをしない競走馬の鑑みたいな馬。2戦目で一本芯が入って成長を感じました」と語ったトレーナーは、来春のクラシックの主役候補へ名乗りを上げた若駒に「当然、皐月賞やその先へつながっていくと思っています」と期待を込めた。まだまだ無敗ロードを突き進む。(石行 佑介)

 ◆ロブチェン 父ワールドプレミア、母ソングライティング(父ジャイアンツコーズウェイ)。栗東・杉山晴紀厩舎所属の牡2歳。

北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算2戦2勝。総獲得賞金は7866万2000円。重賞初勝利。馬主はフォレストレーシング。

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