巨人からポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた岡本和真内野手(29)が3日(日本時間4日)、ブルージェイズと4年総額6000万ドル(約94億2000万円)で契約合意した。複数の現地メディアが報じた。

45日間の交渉期限が4日(同5日)に迫っていた中で、電撃的に決まった。巨人軍オーナー付特別顧問で、かつて監督として岡本を指導した原辰徳氏が、海を渡る愛弟子にエールを送った。

 和真、ブルージェイズ入団合意、おめでとう。ア・リーグ東地区は強豪がひしめき、レベルの高いやりがいのあるリーグじゃないか。自信を持って戦ってほしい。和真なら必ずできると確信している。

 和真とは監督と4番打者として、長く同じ時間を過ごした。ラインアップの4番に毎日、迷わずに同じ名前を書き込めることほどありがたいことはなかった。

 泰然自若というか、物怖じしない性格だが、一方で繊細さを持ち合わせている。これが今まで自分で作り上げてきた野球人としての幅、格を上げた要因だと思う。ただ大陸的というだけでは、なかなか技術というものは会得できない。彼にはああ見えて、神経質というか、完璧主義みたいなところがあるんだよ。

だから、努力もする。

 19年の時、私が「ビッグベイビー」って愛称をつけた。彼に足りない点を挙げるとしたら、それはスピードであり、キレでしょう。特に当時は体重もオーバー気味だったから「まず菓子パンをやめよう」と言わせてもらったことがあった。そしたらピタッとやめ、熱心にウェートトレーニングをやったり、体つきも変わってきた。精神的に、あるいは肉体的にも完全に脱皮し、本当に大人になった。

 今だから言うけど、私が監督を務めていた頃から「メジャーに行きたい」と話をされたことも何度もあった。最初はもう4年前ぐらいだったかな。真剣に「ポスティング、ダメでしょうか」と。「一度、日本一になろうじゃないか」っていう話をした。山口オーナーともその話をして、理解していただいて、今年になっている。ただ、ポスティングは球団の合意がないとできない。

育ててもらい、送り出してくれた球団への感謝は野球人生を終えるその時まで、持ち続けてもらいたいね。

 メジャーでもやっぱり頑健な体、強い精神を大いにアピールしてほしいね。昨年のワールドシリーズ第3戦。延長18回の死闘となった際にドジャースの山本君が、第2戦の完投勝利から中1日で登板を志願し、ブルペンで肩を作ったことに激しく心を動かされた。日本の武士道、野球道たるものを見た思いだ。和真にも日本野球を見せつけてもらいたい。それだけの心・技・体を持ち合わせて、まだまだ途上であるというところに、彼の魅力がある。

 本当にかわいいやつなんだよ。19年にみたび、巨人軍監督として戻ってきた頃、一緒にサウナに入っていてね。そうしたら「いいネックレスつけてますね」って言ってきてさ。「そうか? じゃあお前さんが欲しいって言うならあげるよ」って渡したことをふと、思い出す。そういう人なつっこさも魅力だよ。

今までメジャーリーグに行って名を残した日本人選手はいるけれど、その一人になってほしい。(巨人軍オーナー付特別顧問)

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