巨人からブルージェイズに4年総額6000万ドル(約94億円=契約時のレート)の契約で移籍する岡本和真内野手(29)が11日、都内の日本記者クラブで会見し、昨年6月3日に亡くなった長嶋茂雄さん(享年89)の魂を背負って新天地に挑む覚悟を示した。ミスターと同じく、巨人の「4番・三塁」としてチームを引っ張ってきた岡本。

24年5月に素振りを見てもらった“秘密特訓”の思い出も明かした

 戦う場所は変わっても、ミスターから継承した魂が失われることはない。岡本は、巨人で同じ「4番・三塁」だった長嶋さんについて問われると、約1年半前を思い出しながら、言葉を紡いだ。

 「入団した頃からジャイアンツの『4番・サード』について、たくさんいろんな方から教えていただき、指導していただいた。自分なりにそこをやるとなった時は(役割を)全うしようと思った。長嶋さんが球場に来られた時は、いつも声をかけてくださった。僕自身も直接素振りを見てもらった時は、時間にしては30~40分だったと思うけど、今までで一番張り詰めた空気の中での、すごく集中した30~40分だった。今でも忘れることはないですし、すごく自分にとっていい経験だと思っています」

 24年の交流戦開幕前の5月27日。岡本は球団関係者を通じて長嶋さんに都内の大部屋に招かれ、無心でバットを振った。交流戦終了後の同年6月20日にも東京Dで指導を受けた。25年は左肘じん帯損傷で5月から離脱したが、全選手が背番号「3」をつけた8月16日阪神戦(東京D)の追悼試合は、102日ぶりの1軍復帰戦でもあった。ミスターからの助言はまさに特別なものだった。

 メジャーリーガーでは21年の大谷以来となった日本記者クラブでの会見。

ムービーカメラ14台など集まった約100人の報道陣の前でやや緊張気味だった岡本。新天地での目標は「自分の毎日毎日、野球と向き合って成長していきたい。まずはレギュラーとして試合にたくさん出たい」と謙虚に語った。

 新天地では新たなタッグを心待ちにする。ブ軍の主砲で若きリーダーのV・ゲレロ内野手(26)=ドミニカ共和国=との共闘だ。ゲレロは、21年には大谷を2本上回る48発で本塁打王に輝いた一塁手。「同じ右打者で動画を見たりしていたので、そのスーパースターの選手とチームメートでプレーできるのは、今すごくワクワクしている」

 また改めて3月のWBCにも熱い思いを語った。「日本代表のユニホームを着てプレーしたい。ずっとそういう気持ちを持っている」。3月のWBCでは、早ければ準々決勝でドミニカ共和国と対戦する可能性がある。WBCではライバルとなるが、ブ軍では切磋琢磨(せっさたくま)していくことを望む。

 約1時間の会見の最後には「克己心」という直筆のサインを見せて締めくくった。

「高校時代から、まずは自分に勝たないとその先はないと思っているので、この言葉が好き。きょうは、なんかちょっと恥ずかしかったけど、また次は、活躍して呼ばれるように頑張りたいと思います」。新天地で頂点に立ち、堂々と日本に帰ってくる。(安藤 宏太)

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