26年から高校野球が、27年からはプロ野球セ・リーグが指名打者(DH)制を採用する。打撃に秀でた選手に活躍の場が広がり、新たなスター誕生が期待される。

WEST報知では、今秋ドラフト候補で、打撃が売りの高校生、大学生、社会人を2回にわたって随時、紹介する。第1回は、25年12月の大学日本代表候補に選ばれた大商大の春山陽登外野手(3年)と今夏の甲子園に出場した鳴門(徳島)の稲山壮真内野手(2年)。

 鳴門の大砲がその名を広めたのは、25年夏の甲子園だった。稲山は、天理(奈良)戦で決勝打と2長打を含む4打数4安打1打点の鮮烈な聖地デビュー。二塁にヘッドスライディングをした際に、上半身のユニホームが破れるほどハッスルした。「今までの野球人生で一番、輝いていた世界だった」。昨秋は県準々決勝で優勝した阿南光に敗退。今春センバツ出場が絶望的なため、夏を目指して鍛錬の冬を過ごしている。

 入学当初から低反発バットを使用する世代。「中学野球が終わってから、ずっと使っていた。飛ばないという感覚はなかった」。入学時点で上級生より飛ばし、1年秋から4番に座る。

24年秋の徳島大会3位決定戦では、右翼の防球ネットを越える推定120メートル超の場外弾を放った。ここまで通算25本塁打をマークしている。巨人・榑松(くれまつ)スカウトディレクターは「パンチ力があり、うまさもある。ミートポイントが広く、広角に打てて打率が残る印象がある」と評した。

 普段は一塁の守備に就き、三塁や外野も守る。50メートル走6秒4と脚力があり、肩も強い。今年、DH制の採用が戦術に大きな変化をもたらす可能性があるなか、「4番は誰が寄ってきても、はね返してやる気持ち」と、どっしりと構える。

 甲子園後、活躍を見た地元の友人から「阿波の怪物やん!」と声を掛けられた。ただ、2回戦では沖縄尚学の新垣有絃(ゆいと)と末吉良丞の継投に完封負け。自身も3打数無安打に終わった。開会式では山梨学院の菰田陽生(いずれも2年)との体格差を痛感した。「まだ、そう(阿波の怪物と)呼ばれるレベルじゃない。

注目されている中で輝ける選手になりたい」。徳島から改革期の高校野球に新風を吹かせる。(瀬川 楓花)

 ◆稲山 壮真(いなやま・そうま)2008年7月23日、徳島市生まれ。17歳。佐古小3年から佐古愛日クラブ野球部で軟式野球を始め、城西中では徳島東リトルシニアでプレー。鳴門では1年夏に背番号17でベンチ入りし、25年夏の甲子園は背番号3。阪神ファン。憧れは高橋由伸(元巨人)、村上宗隆(Wソックス)。180センチ、90キロ。右投左打。

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