第98回センバツ高校野球大会(3月19日開幕・甲子園)の出場校を決める選考委員会が30日、大阪市内で行われ、全32校が決まった。昨夏甲子園の優勝校・沖縄尚学は九州地区の5校目で滑り込み選出を果たした。

 届かないと思っていた春の知らせが、琉球の地に舞い込んできた。校舎で選考委員会のライブ中継を見届けたエース左腕・末吉良丞(2年)は、九州最後の5校目に学校の名が読み上げられても、表情を変えなかった。「選ばれてうれしかったんですけど、そこまで期待していなかった部分もあったので、衝撃は少なかったと思います」と小さく笑みを浮かべた。

 センバツ出場の参考資料となる昨秋九州大会は準々決勝で神村学園(鹿児島)に1-4で敗退。自身も九州大会では2試合4イニングに投げたのみだった。最速150キロの球速をアップさせるべく、この冬は積極的にウエートトレーニングに取り組み、ベンチプレスは昨夏の95キロから104キロを挙げられるまでに。体重は94キロから89キロに減ったが、食事にも気を配って筋量は増えた。「年始の練習から感覚を取り戻して今はどんどん上がってきている状況です」と手応えをつかんでいる。

 高校屈指の左腕は、対戦したい相手に織田を擁する横浜と好投手をそろえる大阪桐蔭を挙げた。「横浜高校さんは去年(2回戦で)敗れていて、同級生に世代を代表する投手がいますし、高校野球の王者といえば大阪桐蔭さん」と声のトーンを上げた。昨夏の甲子園で“胴上げ投手”となって、全国の高校球児から追われる立場になるが「夏春連覇をできるのは自分たちだけ。出るからには全員で優勝を目標にやってきたい」と末吉。

2008年以来18年ぶり3度目の優勝、1982年夏、83年春の池田(徳島)以来43年ぶりとなる史上5校目の夏春連覇へ。今秋ドラフトで間違いなく1位候補となる逸材が腕をぶしている。(秋本 正己)

 ◆末吉 良丞(すえよし・りょうすけ)2008年11月18日、沖縄県生まれ。17歳。小学校2年の時、仲西ヴィクトリーBBCで始め、仲西中では軟式野球部。沖縄尚学に進み、昨夏の甲子園ではエースとして6試合に登板して34イニングで2完投、1完封、39奪三振、被安打24、7失点、自責点4、防御率1・06で同校初の夏の甲子園優勝に貢献した。大会後の侍ジャパン高校日本代表にも選ばれた。175センチ、89キロ。左投左打。

編集部おすすめ