昨季セ・リーグの首位打者&最高出塁率の2冠を獲得した広島・小園海斗内野手(25)は、幼少期から憧れてきた特別な舞台に初めて立つ。本職の遊撃以外に二塁、三塁も守れるユーティリティーに加え、勝負強い打撃が持ち味だ。

「勝つためにできることを何でもする」と覚悟を明かした。あらゆる立場から2大会連続の世界一に貢献する。(取材・構成=直川 響)

 昨季、両リーグで打率3割超えは3人だけ。3割9厘は12球団トップだった好打者・小園は、世界一になるためにムードメーカーにも名乗りを上げた。

 「俺が試合に出ないとアカンとか思わないし、出られなくても全く悔しくない。チームが勝つために、ベンチで盛り上げることも大事な仕事。出番が来たときに仕事ができるように準備するだけです」

 24年11月のプレミア12では打率3割8分7厘、2本塁打、8打点と大暴れして、二塁手としてベストナインに輝いた。今大会では正遊撃手の候補でもあるが、あらゆる可能性を想定している。宮崎・日南キャンプで一塁守備に取り組んだのも、侍ジャパンのため。

 「ポジションはどこでもいいです。一応、ファーストミット、外野用のグラブも持って行きます。僕が守ることはないと思いますが、誰かがけがをしたり、誰かのグラブが破れるかもしれない。

国際大会は何があるか分からないので」

 WBCは初出場だが、23年10月に発足した井端ジャパンの常連としてメンバーに名を連ねてきた。

 「井端監督にいろいろな形で使ってもらえて、本当にうれしい。『思ったようにやってくれ』と言ってくれたので、その期待に応えられるように頑張りたいです」

 特に小学2年時に見た09年の第2回大会が思い出深いという。

 「全試合テレビで見ていました。優勝したのが印象的なんですけど、マクドナルドでもらえる(当時レッドソックス・松坂大輔、巨人・小笠原道大がプリントされた)クリアファイルが欲しくて(笑)。それだけのために何回もハンバーガーを食べにいって…。テレビで見ていた舞台に出れることが本当にうれしい」

 本大会では、今まで対戦したことのないような投手とも対峙(たいじ)する。米国代表は昨季1位票満票でナ・リーグのサイ・ヤング賞に選出された最速164キロ右腕ポール・スキーンズ(パイレーツ)ら。いち野球人として対戦を楽しみにするが、憧れは胸にしまって「一発で仕留めたい」とイメージを膨らませる。

 オフはキレを出すために4キロ減量した。今季初実戦となった7日のシート打撃では、左腕・高橋の直球を捉えて右翼に特大の“今季1号”を放った。

 「WBC本番で打ちたいので、今はあんまりまだ打ちたくない(笑)。

本戦で打たないと意味がないけど、もういつでもいけるくらいの状態。本当にけがだけはないようにしたいです」

 25歳は阪神・森下と並ぶ野手最年少。若さを前面に、フォア・ザ・チームで日本に歓喜をもたらす。

 ◆小園 海斗(こぞの・かいと)2000年6月7日、兵庫・宝塚市生まれ。25歳。光ガ丘中では「枚方ボーイズ」でロッテ・藤原とチームメート。3年時にU―15日本代表。報徳学園高では1年春からレギュラーで甲子園は2年春4強、3年夏8強。18年ドラフトで4球団競合で広島に1位入団。昨季は自身初のタイトルとなる首位打者&最高出塁率を獲得。178センチ、91キロ。右投左打。

今季年俸1億5000万円。既婚。

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