スポーツ報知では日本代表メンバーを「WBC連覇へ 侍語る」と題して特集する。第6回は西武・源田壮亮内野手(33)。

初出場した前回の23年大会では、1次ラウンドの韓国戦での帰塁時に右手小指を骨折するも志願して試合出場を続けた“侍魂を体現する男”。今大会を集大成と位置づけ強い覚悟で臨む名手は、かつて見た侍戦士たちのように、背中で魅せる。(取材・構成=大中 彩未)

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  初出場となった23年大会では、正遊撃手として優勝に大きく貢献。以前から「特等席」と語るショートの位置から眺めた光景は、今でも鮮明に覚えている。

 「なかなか経験できないので。本当に大きな経験をさせてもらった」

 1次ラウンドの韓国戦では、二塁に帰塁した際に右手小指を骨折。それでも出場を志願し、優勝に貢献。一方で、万全な状態で挑めなかった後悔も残る。

 「(今回は)万全な状態でちゃんとやりたい」

 準決勝のメキシコ戦では、3点ビハインドの7回1死一塁の守備時に、相手のわずかな離塁を見逃さずタッチアウトにする通称「源田の1ミリ」と呼ばれる好プレーを見せ、流れを変えた。現役時代、同じ遊撃手だった井端監督からの信頼も絶大だ。

 「ちゃんと守れて当たり前だと見られると思う。最低限しっかり守って、なおかつまたチームを助けられるような守備ができればいい」

 野球少年なら誰もが憧れる大舞台。

源田にも、脳裏に焼きついて離れない背中がある。

 「子どもの頃に見た、イチローさんの決勝タイムリー。あれはみんなで見ながらめっちゃ盛り上がった。すごいいい思い出です」

 2009年のWBC、韓国との決勝戦。同点で延長10回2死二、三塁、イチローが中前へ勝ち越しの2点適時打を放ち、日本の連覇を決めた。当時高校1年生だった源田には、グラウンドを駆ける全員が輝いて見えた。

 「どこかに移動してて、みんなで車で見たはずです。イチローさんもすごいし、チームみんながかっこいいなって」

 現在33歳。今大会に選出された野手では3番目の年長者となった。それだけに、今大会にかける思いは誰より強く、自身の“侍人生”の集大成と位置づけた。

 「年齢的にも、自分の中でも、今回が最後だなという感じで行く。最後優勝していい思い出にしたいなと思います」

 メジャーリーガーも多く出場するWBC。

影響力の大きさは、前回大会後に身に染みて感じた。

 「ファン感でもプライベートでも、(ファンが)声をかけてくれることが増えて。お子さん連れの方とか学生とかで『あれを見て野球始めました』と言ってくれる人も結構いた。そういうのはすごく嬉しかったし、影響力も感じた。またみんなで優勝して、盛り上げられるように」

 かつて侍戦士たちを見て、自身が強くひかれたように。

 「野球っていいなって思ってもらえたらいいですね。野球いいなとか、野球選手になりたいとか、そんな風に思ってもらえたら」

 2大会連続の頂点へ―。持てる全てをぶつけ、栄光の盾をつかみ取る。

 ◆源田 壮亮(げんだ・そうすけ)1993年2月16日、大分・大分市生まれ。33歳。大分商では甲子園経験なし。愛知学院大、トヨタ自動車を経て、2016年ドラフト3位で西武に入団。

1年目の17年には全試合に出場して打率2割7分、3本塁打、57打点の成績を残して新人王を獲得。18年から24年までは遊撃手として7年連続7度のゴールデン・グラブ賞を受賞した。179センチ、77キロ。右投左打。今季年俸は3億円(推定)。

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