◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 阪神の春季キャンプを取材した。注目はなんといってもWBC組の佐藤輝明(26)、森下翔太(25)、石井大智(28)、坂本誠志郎(32)の4選手。

キャンプ取材は日々、誰を撮れば?と駆けずり回るが、今年はこの4人が必ず原稿になるので比較的楽だった。

 そんな矢先にアクシデントは起きた。2月11日の紅白戦。侍ジャパンの勝利の方程式の一角として期待される石井が、目の前で倒れた。一瞬、何が起こったのか分からなかった。一挙手一投足をカメラのファインダーを通して見ていたが、猛ダッシュなどではなかった。打球の行方を見ながら本塁へカバーに入るといういつもの流れだった。

 後日談で本人は「ブチッていうか、バァン!みたいな音がした」とコメントしていたが、カメラ席にいた私には当然、何も聞こえなかった。足がつったか、肉離れかぐらいに思っていたが、実際には左アキレス腱(けん)の断裂。WBCどころか今季中の復帰も厳しい状況だった。

 約半月後、私はバンテリンDにいた。侍ジャパンの壮行試合。

大谷翔平(31)や鈴木誠也(31)らが合流した。試合前の打撃練習では大谷がバットを振るたびにどよめきが起こる。打撃陣は世界一と言っても過言ではないメンバーがそろった。それだけに投手陣の偏りが心配になった。中継ぎも抑えも絶対的なものが見えてこない。「ここで石井が出てくれば安心して見ていられるのに…」と思う場面もしばしば。井端弘和監督(50)は果たしてどんな采配を見せるのか。今大会の一番の見どころは、実は投手の起用法ではないかと思っている。(写真担当・朝田秀司)

 ◆朝田 秀司(あさだ・しゅうじ) 1991年入社。春季キャンプ前、人生初のぎっくり腰に。

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