◆WBC 1次ラウンドC組 日本8―6韓国(7日・東京ドーム)

 自らのバットから生まれた衝撃音とともに右翼席へアーチをかける打球を見つめながら、Rソックス・吉田正尚外野手(32)はゆっくりと歩き出した。4―3の3回2死走者なし。

1ストライクから2番手右腕・趙丙ヒョンのカーブを代わりばなで捉え、今大会1号ソロだ。スタンドが激しく沸き、一塁ベンチにも笑顔の輪が広がる。大谷、鈴木に続く1イニング3発目が「4番」から飛び出した。

 「翔平、誠也に続いて打つことができて良かったです。バッターがみんなすごいので、流れに乗り遅れないようにしています」

 さらに1点を勝ち越した直後の6―5の7回2死満塁では、中前へ2点適時打をマーク。「いけいけの展開でしたし、甘く入ってきたところを1球で仕留められてよかったです」と接戦の中で相手に強烈なダメージを与える一打だった。2安打3打点で、2戦4打点。23年のWBCで大会史上最多13打点を記録した勝負強さは健在だ。

 これで主要3大大会での韓国戦は4戦15打数8安打で打率5割3分3厘、9打点。国の誇りを懸けて戦うライバルとの一戦で光り輝いている。大和魂が際立つ吉田。試合前練習時に使う新たなバットは「侍」をモチーフにしており、赤鬼や侍ジャパンのロゴなどが刻まれる。

試合前から日の丸の矜持(きょうじ)を胸にバットを振り、感覚を研ぎ澄ませている。

 2戦連続で「4番」に起用した井端監督は「鈴木選手が打った後にホームランを打って、何より押し出しの後の2点タイムリーは大きかった。彼の打席の集中力は球界でもNO1じゃないかな」とたたえた。本人も「集中力を大切に」と打席での信条を語る32歳。「全勝でマイアミに行けるようにしっかり調整します」。まずは3連勝で米国行きをつかむ。(田中 哲)

記録メモ 日本は3回に大谷、鈴木、吉田が本塁打で、1イニング3本塁打。日本のWBCでは1イニング3本塁打は初。プロが参加した99年以降の3大大会(WBC、五輪、プレミア12)では15年プレミア12のメキシコ戦の2回に山田哲人(ヤ)、中田翔(日)、松田宣浩(ソ)の3人が本塁打を放った3本以来2度目。また、1試合4本塁打以上はWBCでは13年2次ラウンド(3月10日)オランダ戦の6本(鳥谷、内川、糸井、坂本、稲葉、松田)以来2度目。WBC以外では15年プレミア12、3位決定戦のメキシコ戦の5本があり、3大大会では3度目。

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