◆第63回報知杯弥生賞ディープインパクト記念・G2(3月8日、中山競馬場・芝2000メートル、良)

 皐月賞・G1(4月19日、中山)トライアルの第63回報知杯弥生賞ディープインパクト記念・G2は8日、中山競馬場の芝2000メートルで争われ、単勝3番人気のバステールが、豪快な差し切り勝ちで重賞初制覇を飾った。2着ライヒスアドラー、3着アドマイヤクワッズまでが本番の優先出走権を得た。

 測ったように差し切った。最後の勝負どころを見据え、序盤は後方でじっくりと脚を温存したバステールは、4角で馬群の外めへと進路を取る。直線入り口ではややバランスを崩すシーンはあったものの、しっかりと立て直し、一完歩ずつ力強くストライドを伸ばし先行勢を射程圏に入れた。その勢いで急坂をものともせず末脚をフル回転。上位人気2頭が激しい叩き合いを繰り広げる外から、メンバー最速となる34秒9を繰り出し3/4馬身グイッと前に出たところが、重賞初制覇の瞬間だった。

 ゴール板を過ぎた直後、川田はパートナーの首筋をポンと叩いて頑張りをたたえた。「まだ体も心も幼いので、これから成長していく馬だと思いますので、この状態でこれだけのパフォーマンスを出せるというのは、素質の高さだと思います」と今後の成長も見据えた。

 ゲート入りの前には腹周りに発汗した白い跡がにじむなど、まだまだ幼さやもろさを抱える。それだけに、これまで2戦で決められなかったゲートを決めたことは、今後へ向けて大きな収穫となった。斉藤崇調教師は「ようやくちゃんと五分ぐらいで出られたかな。ただ、慌てずすごくリズムを大事にしてくれたので、本当にすごくいい騎乗をしてくれたと思います」と鞍上への賛辞を惜しまなかった。

 1勝馬の身ながら最高の結果を残した。

トレーナーは「賞金もなかったんで最低限とは思っていましたが、しっかり勝てて賞金的にはダービーまで楽しみだと思います」。次戦に見据える皐月賞(4月19日、中山)は自身が管理するクロワデュノールが昨年2着で涙をのんだレース。「クロワとは別に比べられる感じじゃないですが、うまく成長すればいいところは持っています」。一段ずつ階段を上がるキタサンブラック産駒の夢は大きく広がった。(石行 佑介)

 ◆バステール 父キタサンブラック、母マンビア(父アルデバラン2)。栗東・斉藤崇史厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は3戦2勝。重賞初勝利。総獲得賞金は6332万8000円。馬主は(有)シルクレーシング。

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