馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回はシャフリヤールが勝った2021年の毎日杯を取り上げる。

勝ち時計は驚異の1分43秒9で日本レコードタイ(当時)。3歳春時点で驚がくの走破時計を叩き出し、続く日本ダービー制覇へ上昇気流に乗った。

 衝撃の勝ち時計だった。シャフリヤールがグレートマジシャンの追撃を首差で退けた直後だ。1分43秒9という時計の上に赤くレコードの文字が点灯。それは阪神のコースレコードを意味するだけではない。グランデッツァが5歳時の2014年都大路Sで更新した日本レコードにも並んだ。

 単騎逃げに出たウエストンバートが引っ張った1000メートル通過は57秒6。前に行った馬が脱落するなか、残り200メートルからは外に出した1番人気のグレートマジシャンとの叩き合い。一度も先頭を譲ることなくゴールを駆け抜けた。

 川田にとっては藤原英厩舎の管理馬と19度目の重賞で初勝利。「今日は勝たないといけなかったので、ちょっと無理をして(馬には)動いてもらいました。

これから体が成長すればさらに楽しみです」と責任を果たした鞍上はホッとした表情を見せた。

 藤原英調教師は「最高の騎乗だった。1800メートルはぎりぎりだったが、賞金を加算したかったからね。これからは2000メートル以上を使える」と青写真を描いた。

 ペルシャ語で「偉大な王」を意味するディープインパクト産駒はその2か月後、主戦の福永とコンビを復活させ、日本ダービーで7398頭の頂点に立った。藤原英調教師の執念が実り、10年のエイシンフラッシュ以来となるダービー2勝目。断然の1番人気に推された無敗の皐月賞馬エフフォーリアを鼻差でねじ伏せた。

 24年の有馬記念2着を最後に現役を引退。25年春から種牡馬としてスタートを切ったが、初年度の受胎率の低さから一度は種牡馬引退の判断が下された。だが、その後の試行錯誤の結果、今年度も続行が決定。社台スタリオンステーション(北海道安平町)で種牡馬生活を送っている。

編集部おすすめ