◆第86回皐月賞・G1(4月19日、中山競馬場・芝2000メートル)

 不安はみじんもない。昨年の最優秀2歳牡馬カヴァレリッツォ(牡3歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)がクラシック初戦でG1馬としての貫禄を見せる。

2歳マイル王に輝いた朝日杯FSから直行を選択した。同ローテからは20年サリオスの2着が最高で、勝ち馬は出ていない。中118日で勝てば過去最長ブランク。データを見ると「鬼門」といえるが、吉岡調教師は自信のまなざしで「調整過程は十分。休み明けになるが、非常に順調にこられた」と言葉に力を込める。

 心身ともに進化の気配だ。先月19日に帰厩。吉岡厩舎流の土曜追いで、11日に実質的な本追い切りを消化。まだ薄暗い午前5時の栗東・CWコースで3頭併せを行い、僚馬1頭に遅れはしたが、エンジンがかかってからの力強さはさすがだった。トレーナーは「馬場が重たかったので、直線での反応は遅れたけど、ゴール板からもまた伸びていた。いい感じで終われたと思う」と納得の表情。昨年と比べて「体のボリュームも出ているし、精神的なゆとりもある」と、パワーアップを明かした。

 カギとなるのは距離。デビューから3戦、すべてマイルに使ってきた。400メートルの延長については「肉体的には、折り合えば2000メートルは全然走れると思っている。メンタル面も以前より落ち着いていて、本当に成長している」。初の条件にも、確かな手応えがある。

 父サートゥルナーリアは無傷4連勝で皐月賞馬に上り詰めた。角居勝彦厩舎の助手時代に父を手がけた指揮官は、見た目のタイプは違うと分析しつつ「トップスピードに入る脚、一瞬の切れというのは似ているところがある」と走りの共通点を語る。受け継いだ豪脚で、この混戦を切り裂いていく。(山本 理貴)

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