東都大学野球春季リーグ戦第2週第1日▽亜大5―1東洋大(14日・神宮)

 亜大が逆転で先勝。今春リーグ戦で初勝利を挙げた。

1点ビハインドで迎えた6回1死一、三塁、藤森一冴外野手(3年=駒大苫小牧)の左犠飛で同点に追いつくと、なおも2死満塁から今秋ドラフト候補の前嶋藍捕手(4年=横浜隼人)が左越えに決勝の満塁本塁打をたたき込んだ。

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 両手に残った確かな感触が、着弾点を教えてくれた。前嶋は何度も右手を突き上げ、ダイヤモンドを一周した。同点の6回2死満塁。東洋大の先発・大坪廉投手(4年=智弁学園)の初球134キロのカットボールをフルスイング。打球は春空の神宮に弧を描き、左翼席へと到達した。勝ち越しのグランドスラム。ベンチでは手荒い祝福を受け、いい笑顔になった。

 「先週からチームが苦しい状況で、なんとか勝つという執念がバットに乗って、ホームランにつながったと思います。打った瞬間、いい打感だったので、入ったのかなというのがありました」

 憧れの選手に「野村克也」を挙げる。横浜隼人時代に、恩師の水谷哲也監督から「野村ノート」を読むことを勧められ、「ノムラの考え」に魅了された。何度も読んで、打者心理などを学んだ。

 「打てる捕手ですし、あれだけ考えて、監督時代も優勝に導いて。捕手として憧れがあります。打つだけじゃなくて、少ない点数でも『勝てる捕手』を目指していかないと、自分は上がない。『勝てる捕手』を目標にして、野村克也さんを参考にしています」

 捕手としても5投手の持ち味を生かす好リード。本塁打を被弾したが、その1安打のみの1失点に抑えた。ドラフト候補としてもスカウト陣から熱視線を浴びるが「まずはチームの結果が第一優先。チームの勝ちにこだわって、リードやバッティングでも力をつけて、勝ち点1を取りに行きたい」と前嶋。人間的成長なくして、技術的進歩なし-。名将の教えを胸に、戦国東都を勝ち抜く。(加藤 弘士)

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