宝塚歌劇団の元星組男役トップスター・寿美花代(すみ・はなよ)さんが、8月3日午前4時43分に老衰のため亡くなったことが6日、所属事務所の東宝芸能から発表された。94歳だった。

この日、家族のみで密葬を執り行った。お別れ会などの開催の予定はない。2019年6月に夫の俳優・高島忠夫さん(享年88)が死去していた。

 寿美さんは晩年は入居した施設や病院で過ごしていた。息子で俳優の髙嶋政宏によると「ここ数年は誤嚥性肺炎で入退院を繰り返していた」という。弟で俳優の髙嶋政伸は「父と共に大好きだったフリオの歌声のなか、母は子供と孫に囲まれながら、最期まで美しく凛とした表情のまま、眠るように旅立ちました」と息を引き取った際の様子を明かした。

 星組の男役トップスターとして輝きを放ち、代表作「華麗なる千拍手」で、1960年に芸術祭賞を受賞した。映画「新源氏物語」に出演するなど幅広く活躍したが、「初恋の人だった」という高島さんと結婚するため、63年に退団した。

 高島さんとはテレビ番組での共演をきっかけに知り合い、「今日は何時間眠れるかな」と睡眠時間を数える姿に「きっちりした人」とひと目ぼれ。当時、人気絶頂期にあったが、「あの人を絶対に私のものにしたい」と猛アタックし、振り向かせた。芸能界きってのおしどり夫婦としても知られ、2人で司会を務めた日本テレビ系の料理番組「ごちそうさま」は、71年1月から96年3月まで25年間続いた長寿番組になった。

 晩年は、最愛の夫を献身的にサポートした。

高島さんは98年に重度のうつ病を発症し、その後も糖尿病やパーキンソン病、不整脈などの病魔と闘ってきたが、そばに寄り添い、支え続けた。2013年1月の本紙のインタビューでは「介護で大事なのは、全て完璧にやろうと思わないこと」「忠夫は私のことを本当に姫のごとく優しく優しくしてくれた人やから。その恩返し」などと心境を告白。介護うつも経験したが、「私にいっぱい幸せをくれた。看病は苦でない」と語っていた。

 その年の6月には2か月間、夫婦に密着したドキュメンタリー番組が放送された。自宅にカメラが入り、日常生活もままならない高島さんを支える寿美さんの壮絶な介護シーンは、大きな反響を呼んだ。

 80歳を過ぎた頃からはテレビへの出演回数も減り、16年5月3日のテレビ朝日系「徹子の部屋」が最後の出演になった。

 ◆寿美 花代(すみ・はなよ)1932年2月6日、兵庫・西宮生まれ。48年宝塚歌劇団入団。「春のをどり」で初舞台。「蜜蜂の冒険」「猿飛佐助」に主演し、星組トップスターとして活躍。

52年、宝塚映画第1回作品「元禄水滸伝」で在団中に映画デビュー。2014年「宝塚歌劇団100周年夢の祭典~時を奏でるスミレの花たち~」に出演し、殿堂入り。実妹も松平三保の名前で宝塚に在籍し、スターに。その娘で姪にあたる松平瑠美も、タカラジェンヌとして活躍した。

編集部おすすめ