歌舞伎俳優の尾上辰之助が24日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で「ロンドン歌舞伎舞踊公演」(来年1月30~31日、英国サドラーズウェルズ劇場)の記者会見を市川染五郎と行った。

 自身初の海外公演。

演目は辰之助の「藤娘」、染五郎の「雪の石橋」、染五郎と辰之助の「男女道成寺」を上演する。辰之助は演目の選定について「新作のような派手な演目を選ぶこともできました。でも、あえてこの演目を選んだのは、古典の力を信じているからです。素晴らしい芸術は国籍、人種、世界を超越するものだと思っています。歌舞伎に伝わる古典の演目をどれだけ残していけるのか、我々の挑戦でもあります。昔から伝わる、舞踊の力を試したい」と説明した。

 海外メディアの記者から「ロンドンの歌舞伎を知らない人々にどのようにアピールするのか?」と問われ、「歌舞伎をご存じない方にこそ、見ていただきたい。舞踊は言葉や理屈を抜きで楽しめるものです」。また、SNSの活用について「歌舞伎は役者を見に行く演劇とも言われています。役者個人を知っていただくツールにもなっています」と答えた。

 「歌舞伎役者は血筋が大事」と言われていることを踏まえて「私も歌舞伎俳優になれますか?」という質問も。これには「家と血が大事ではあります。

ですが、国立劇場の養成所のように歌舞伎役者になる道はあります。生まれた時から歌舞伎に接している時間が長い、短いはあるかも知れませんが、歌舞伎が好きで情熱を持って入ってくる方と情熱の差はありません。一丸となって、ワンチームで盛り上げていきたい」と丁寧に説明。その上で「国立劇場の養成所に2年間通っていただいて、歌舞伎役者になっていただきたい」と語りかけた。

 「役者として海外での活躍を目指すのか?」という質問には慎重な姿勢も。それでも「海外で成功する、そういうことがゴールであると一概には言えないが、求められれば、どこにでも行き、求められる役者になりたい。役者は一生、修業だと思っています。ゴールを定めずに修業をしていきたいと思います」と力を込めた。

 英国における松竹製作の歌舞伎公演は、2010年の「松竹大歌舞伎 ロンドン公演」以来、17年ぶり。サドラーズウェルズ劇場は、コンテンポラリー・ダンスの聖地として世界的に知られ、かつて英国で初めて歌舞伎公演が行われたゆかりの深い劇場であり、本公演が通算8度目の上演となる。

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