翻訳家の岸本佐知子さんが7日、都内で行われた「第18回伊丹十三賞」の贈呈式に出席した。

 伊丹氏が才能を発揮した分野(エッセー、翻訳、編集、料理、映画、テレビ、CMなど)で優秀な実績をあげた人に贈られる賞。

「現実世界をひょいと裏返してみせるような翻訳とエッセーのオリジナルな仕事」が高く評価された岸本さんは「人より秀でた才能はないけど、ひとつだけ絶対に負けない事がありまして。それは、ここぞという時に雨を降らせることです」と、全国的に大雨となったこの日の天気を引き合いに、自己紹介して笑わせた。

 賞の名前になっている伊丹氏については「10代、20代の私にとっていろんなところで面白い事をしている特別な方」と語り、「伊丹さんは日本語訳する時、主語や人称代名詞を省かなかった。『僕の母と僕の妹が帰ってきて、僕の母が僕に言った』って訳されるんです。本当に衝撃的で、マネするのは危険なんですけど、こんなやり方があるのかと目からうろこが落ちました」と敬意を表した。

 今回の受賞を受けて「知らせを聞いた時、嬉しかったんですけど、何かの間違いじゃないか、今こうして立っているのも夢じゃないかと疑っています」と感激。「私はのみ込みの悪い性質でして、何でもかみ砕いて知解できるタイプの人間。今やっと、頭の中身が10歳くらいの感じ。素敵な賞をいただいたので、80歳くらいまでには(頭の年齢を)20歳にしたいと思っております」とユーモアを交えて意気込んだ。

 同賞は伊丹十三が「これは大したもんだ、うなりました』とつぶやきながら膝をたたいたであろう人や作品が選考基準。過去に糸井重里氏、タモリ、池上彰氏、リリー・フランキー星野源宮藤官九郎氏、是枝裕和監督らが受賞している。

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