◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上拓真―同級1位・那須川天心 ▽IBF世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)暫定王座決定戦12回戦 同級1位・西田凌佑―同級2位サム・グッドマン ▽WBC世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位・坪井智也―同級2位リカルド・マラジカ ▽WBO世界ミニマム級(47・6キロ以下)暫定王座決定戦12回戦 同級1位・松本流星―同級2位ラッセル・アコスタ(9月27日、トヨタアリーナ東京)

 WBC世界バンタム級1位・那須川天心が14日、東京・新宿区の帝拳ジムで、同級王者・井上拓真との再戦に向けた練習を公開した。昨年11月の王座決定戦で拓真に判定負けし、キック時代を含めて格闘技キャリア55戦目にして初黒星を喫してから10か月。

下馬評を覆し「刺しにいく。KOしたい」とKOで雪辱する覚悟を示した。

 格闘技人生初の黒星から307日で挑む雪辱戦。天心は「自分に勝ちたい、という思いが一番大きい。前回の試合からこの日に向けて一生懸命生きてきた。あと2週間、自分の答え合わせとなる日が迫っている」と心境を明かした。「やられる覚悟はある。その覚悟があるやつは、やる覚悟がある。やられるリスクも高いが、刺しにいく。KOしたい」。KOでのリベンジにも意欲を示した。

 公開練習では、シャドーボクシング、ミット打ち、サンドバッグ打ちで「ヌルヌル」と表現する切れ目のない動きを見せた。

「今までのシャドーやミットは無駄な動きが多かった。パパンと打つと一瞬のキレはいいが、節目を作らず、ずっとつながっているというのが今回のテーマ」と解説した。

 前回対戦時の公開練習では、拓真陣営の視察を前に世界ランカーとの2ラウンドのガチスパーを披露した。しかし、今回は“手の内”を封印。「疲労もあったので、披露しないようにしないといけないと思わなきゃいけない、ヒーローですね」と即興で韻を踏み、笑わせた。

 下馬評は、拓真優勢に大きく傾く。「崖っ縁でピンチな状況だからこそ、世界をひっくり返してやろうと思っている」と覚悟を固めている。アンチの批判も承知している。「『出るくいは打たれる』『出過ぎたくいは打たれない』と言うが、出過ぎても打たれるんだなと思った。試合では打たれないようにします」。笑みを浮かべながらも、言葉には反骨心がにじんだ。

 同じ相手に連敗することは許されない。

それでも、あえて険しい道を選んだ。「単に世界王者のベルトが欲しいだけなら、4団体あるのでいろんなアプローチの仕方がある。でも、強いヤツに挑むのが僕の人生。それが本当のプロだと思う」。生きざまを拳に刻み、王者に挑む。(勝田 成紀)

 〇…練習には、大橋ジムの北野良トレーナー、鈴木康弘トレーナー、拓真のいとこで元日本、WBOアジアパシフィック・スーパーライト級王者の井上浩樹の3人が視察に訪れた。北野トレーナーは「打ち合いを想定しているのか、前回より前に出ていくイメージ」、井上浩は「踏み込みができるようになった」と前回対戦時からの変化を感じ取っていた。一方、鈴木トレーナーは「どういうボクシングで来ても拓真は対応できる」と返り討ちに自信をにじませた。

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