今秋がラストシーズンとなるフォーエバーヤングが、JRA海外馬券発売対象のジョッキークラブゴールドC・米G1(日本時間19日朝5時14分発走予定、ベルモントパーク競馬場)で始動する。管理する矢作芳人調教師(65)=栗東=がスポーツ報知のインタビューに応じ、「アメリカの年度代表馬という夢」へ必勝態勢で臨むことを明かした。

現地のライバルを圧倒し、連覇がかかるブリーダーズカップ(BC)クラシックへ弾みをつける。

(取材・構成 山本 武志)

 ついに“最終章”を迎える。フォーエバーヤングが連覇を狙うBCクラシック(10月31日、キーンランド競馬場)を大目標に、ジョッキークラブゴールドCから始動する。矢作調教師は日本テレビ盃から始動した昨年とは違い、今年は米G1の転戦を選択した。

 「挑戦というのが一つ。それと歴史と伝統ある東海岸有数のレースであるジョッキークラブゴールドCというレースを取りたい。ましてや、それが新生ベルモントパークのこけら落としの日にあるわけですから」

 異国の地で次戦まで6週間と間隔が空く。サウジアラビアから同じように転戦したドバイでは勝利に手が届かなかった。

 「1か月ベルモントで過ごして、レース11日前にキーンランドに入る。これはいいと思う。とにかく飽きるんでね、あの馬は。ドバイはサウジアラビアをすぐに出て、ずっと現地で調教しないといけないので気持ちがね(抜けやすい)。

その辺が(直前に)キーンランドへ移動することで『あっ、競馬だな』とスイッチが入りやすいと思う」

 今年は涼しい函館で足慣らしをした後、先月28日に栗東へ帰厩。得意ではない暑さ対策も施し、今月7日に決戦の地となる米国へ旅立った。

 「去年は(始動戦の)日本テレビ盃に75点で行けたけど、今年は90点程度の仕上がりにはなると思う。勝って、一度状態を落としてもいいかなというぐらいの気持ちです。また上げていけばいい。ジョッキークラブゴールドCのように権威あるレースを前哨戦なんて言うのは失礼。しっかりと取りに行かないといけない」

 フォーエバーヤングと世界を巡る旅も、もうすぐ終わろうとしている。

 「一番感じるのは、こういう馬は人知を超えていく。過去に(管理馬で)人知を超えたといえばリスグラシューの最終年とコントレイルの菊花賞(※)だった。俺らが思っていること、想像していることの上を行くよね、常に。それがスーパースターなんだなって。幸せですよ、調教師として。

人知を超えるという部分では、まだ今も成長しているんですよ。夏より良くなっている。そういう部分だと思いますね。まだまだ、上がっている」

 最後も当然、確たるターゲットがある。

 「もちろん最終目標はBCクラシックだけど、ここもしっかり勝って、BCクラシックを勝つ。そうすればアメリカの年度代表馬という夢が見えてきます。そのミッションを確実に遂行したい。簡単ではない。特に去年(のBCクラシック)はフィアースネスもシエラレオーネもいたけど、今年は皆うちの馬を目標にするからね。でも、そこで勝ってこそというか、そういうところで勝つのが好きな人じゃない、俺が。だから、頑張るさ」

 逆境で燃える世界のYAHAGIは笑っていた。昨年の日本に続き、今年はアメリカで―。

日米の年度代表馬となれば、とんでもない偉業となる。

 「痛快じゃないですか。日本人馬主、日本人調教師、日本人ジョッキーで日本馬がアメリカの年度代表馬を取ったら。とてつもないことだと思います。その夢を実現する。フォーエバーヤングと一緒に頑張っていきたいです」

 熱い思いを胸に秘め、最後の最後まで究極の夢を追う。

 ◆矢作 芳人(やはぎ・よしと)1961年3月20日生まれ。東京都出身。65歳。84年から栗東へ入り、14度目の調教師試験で合格。05年に厩舎を開業した。その後は3冠馬コントレイルを始め、数々の名馬を輩出。

14、16、20~22、24年で6度のJRA最多勝を獲得。19~23年、25年で6度の最多賞金獲得調教師賞を獲得した。昨年11月9日には地方、海外を合わせた通算1000勝を達成した。JRA通算は977勝(13日現在)。

 ◆ジョッキークラブゴールドC 1919年創設の米G1。ニューヨークのベルモントパーク競馬場のダート左回り2000メートルで行われ、優勝馬にはBCクラシックの優先出走権が与えられる。過去5年間はサラトガ競馬場で開催されたが、今年はニューヨーク競馬協会(NYRA)が総額5億5500万ドル(約870億円)をかけてリニューアルしたベルモントパーク競馬場の新装オープン初日に行う。過去には16連勝を記録したG111勝馬シガー、米国史上初の生涯獲得賞金1000万ドル超えのカーリンなどが勝利している。

 ◆勝てば日本調教馬史上初の海外G14勝 過去3頭の海外G13勝が最高。エイシンプレストンは01年香港マイル、02、03年に香港・クイーンエリザベス2世Cを連覇。モーリスは15年香港マイル、16年香港チャンピオンズマイル、香港カップ。ラヴズオンリーユーは21年に香港・クイーンエリザベス2世C、米・BCフィリー&メアターフ、香港カップを制覇。

今回、フォーエバーヤング(25、26年サウジC、25年の米・BCクラシック)が勝てば最多4勝目となる。

 ◆馬券発売要項 ネット馬券(即PAT)のみ。フルゲートは14頭だが、日本時間13日の出馬投票は7頭で補欠馬がいなかったため、発売時間は18日18時30分から発走予定時刻の2分前まで。単勝、複勝、馬連、ワイド、馬単、3連複、3連単の7式別を発売する。

編集部おすすめ