歌舞伎俳優の松本幸四郎が20日、東京・泉岳寺で行われた歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」(11月1~25日)の「通し狂言『仮名手本忠臣蔵』」の取材会に出席した。

 歌舞伎三大名作の一つで、赤穂浪士の仇討ちを題材にした物語。

2012年の新橋演舞場以来、14年ぶりに通し上演で大星由良之助を演じる幸四郎は「これぞ歌舞伎という歌舞伎の代表作。この年代で一丸となって勤める。そのエネルギーを感じてもらいたい。生きざまを感じてもらえたら。お芝居ですけど、その瞬間に、その現場にいたような感覚になってもらえたら。地に足をつけて、一歩一歩、力強く歩んでいけたら」と抱負を語った。

 歌舞伎の立役屈指の大役で、祖父の先代松本白鸚、父の当代白鸚、叔父の中村吉右衛門の当たり役だ。「父の由良之助には引っ張っていく強さがある。先頭を切って突き進んでいく。自分の背中を見せて、付いてきてくれと語りかける。今回もそれを意識していきたい」。偉大な先人の由良之助は「役者が演じているというより、そういう人なんじゃないかと思わされた。

父からはゆったりとした器の大きさ、どっしりとした存在感を教えてもらった」と感謝した。

 2020年のコロナ禍で歌舞伎の興行が中止を余儀なくされた際には、オンライン配信の「図夢(ずうむ)歌舞伎」で「仮名手本忠臣蔵」を上演した。あれから6年、初めて歌舞伎座で通し上演の由良之助を勤めることに「夢のようですね」と感慨深げ。長男の市川染五郎は大星力弥役で出演する。役柄でも親子役となり「忠臣蔵にはたくさんの役があるので、どの役に興味、魅力を感じるのか聞いてみたい」と明かした。

 取材会の前には、四十七士の墓に手を合わせ、上演を報告し、舞台の成功を祈願した。

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