ドラマ「北の国から」などを手がけ、9月18日に多臓器不全のため91歳で死去した脚本家・倉本聰(くらもと・そう、本名・山谷馨=やまや・かおる)さんの「お別れの会」が3日、北海道・富良野市の富良野演劇工場で営まれた。俳優の風間俊介が参列し、報道陣の取材に応じた。

 風間は2019年にテレビ朝日系で放送された倉本さん脚本のドラマ「やすらぎの刻(とき)~道」に出演。献花を終え、落ち着いた表情で「寂しさや悲しさはもちろんあるんですけれども、たくさん残してくれた作品がある。先生と一緒に作った作品は自分の中に残っていると思う。先生から渡してもらった作品をこれからも血肉にして生きていきたい」と感謝した。

 残っているものとは、「日常を生きている中でのささいなよろこびを一つ一つ大切にしていると、その人の生き様も物語になる」ということだと説明。「一人の人間を美しく、時にはかなく描いてきた物語が大好き。僕も『先生が書いてみたいな』と描いてもらえるような人生を歩んでいきたい」と決意表明した。

 「やすらぎの刻~道」では、劇中劇「道」のメインキャストを務め、ストーリーテラーの役割も務めた。それまでの倉本作品を見て「物語がキャラクターの語りでスタートする物語に憧れがあったので、それを任せてもらえて光栄です」と話したそう。その際に「お前の語りはいいから、そのままやってくれたらいい」と声を掛けられたという。

 風間の喉仏が出ていて、生唾を飲む時に喉が動くことに倉本さんは注目した。風間は「お前の役はスケベだから、女の子とやる時はのどを動かす生唾を動かす感じをやればいいと言われた。

しっかりのどを動かしながら女の子を見てました」と、同作での演技に生かした。

 上京した倉本さんと酒席を共にした際にも「その顔をしていて、色々なことを考えるクレバーな部分がある」とお褒めの言葉があったとという。「時にズルく、時に図々しく、でも謙虚な雰囲気をまといながら生きていけよ、と言っていってもらった。もうちょっとズルくてもいいと言ってもらいました」と振り返った。

 自身がなぜ認められたかについて「したたかさみたいなものを褒めてくれた」と認識している。「相手に敬意を払って礼儀正しくいるけれども、思うことがあった表に出していい。健やかに生きているけれども、そうじゃない感情を抱いても、それも一つの健やかさだということを僕に見出してくれた」とした。

 当時の会話の中身は「ちゃめっ気たっぷりで、エピソードや時代背景含めてテレビで話さなくていい話もたくさんいただいた。テレビで話さないからこそ僕の宝物にしていきたい」と語った。

 怖いという評判ばかり聞いていた倉本さんには「お会いすると信じられないくらい優しくしていただいて、素敵な言葉をかけてもらった。僕の中で怖いイメージがない。『風間はいいぞ』って認めてもらえたのかな」と思案。

倉本さんの脚本では役者が台本を変えてはいけないとされているが「状況次第では変えていた。初めてお会いした時から優しくしていただいたから、今思えば怖いもの知らずだった。あまり怒られなかった」と回想した。

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