
巨人からポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す山口俊投手(32)のブルージェイズ入りが17日(日本時間18日)、年俸300万ドル(約3億2700万円)前後の2年契約で基本合意に達した。メディカルチェックを経て、問題がなければ正式契約となる。
山口はレンジャーズ、ブルワーズ、ブルージェイズと最終的に3球団に絞った模様で、そのうち条件面で最も高かったブルージェイズになったようだ。
ブルージェイズは今季67勝95敗でア・リーグ東地区4位に低迷。打撃陣はゲレロ、ビジオ、ビシェットと父親がスター選手だった“ジュニア”たちが台頭してきたものの、リーグ8位のチーム防御率4・79の投手陣は大黒柱のストロマンをシーズン半ばにメッツに放出したこともあって2桁勝利が一人もおらず、最多勝が6勝(3人)という弱体スタッフだった。
今オフのFAではコール、ストラスバーグ、バムガーナー、ウィーラーという大物先発カルテットを一人も獲得できず、アスレチックスからFAした今季10勝のタナー・ロアークを獲得。また、ブルワーズで8勝した右腕チェイス・アンダーソンをトレードで加入させたくらいで先発要因不足は否めない状況だ。
一方の山口は巨人移籍3年目の今季はリーグ最多の15勝(4敗)を挙げ、防御率2・91。最多奪三振(188)、最高勝率(.789)にも輝いた右腕。当初はポスティングの可能性が低かったこともあって、視察に訪れていたメジャー各球団は少なく、争奪戦の動きは遅かったが、ここに来てデータが整った模様だ。山口の代理人ジョシュ・パーセル氏もウィンターミーティングで「ヤマグチはメジャーで先発投手としてプレーすることを望んでいる。彼の才能を生かすためにベストの機会を探す。全30球団が対象だ」とも語っていた。
なお、巨人は12月3日に山口のポスティングシステムの申請手続きを完了。
◇トロント・ブルージェイズ 1977年創立。モントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)に次いで、カナダでは2つ目の大リーグチーム。1989年に史上初の開閉式屋根を持つスカイドーム(現ロジャーズセンター)完成後に強化され、92、93年にワールドシリーズ連覇。2015年に22年ぶりに地区優勝を飾った。今季は3年連続地区4位で67勝95敗は1980年以来の成績に終わった。日本人在籍選手は大家友和投手、川崎宗則内野手。現監督は今季初就任のC・モントーヨ。