左から大野知事、江藤農水相、神尾会長
埼玉県の大野元裕知事、埼玉県議会畜産振興議員連盟の神尾髙善会長(県議会議長)らは8日、江藤拓農水相に豚コレラ対策について要望書を提出した。要望書では豚コレラワクチンについて、可能な限り広域的かつ予防的ワクチンの接種の実施、都道府県において迅速にワクチン接種を実施するために、家畜防疫員の確保やワクチン接種に係る財政的な支援を求めた。
大野知事は江藤農水相に対し「埼玉では関東で初めて豚コレラが発生した。養豚業者をはじめ関係者の努力、国と二人三脚で何とか止めたい。廃業を余儀なくされると感じている農家も多くいる。埼玉県では6次産業化に先進的に取り組んでいる業者もおり、県内で生まれた豚を東北で肥育し、埼玉で製品にしている。
〈「発生が横に広がらないようにしていく」江藤農水相〉
江藤農水相は「ワクチン接種を決めたが、全ての解決策だとは思っていない。飼養衛生管理基準をしっかり守り、農家の意識を高め、発生が横に広がらないようにしていく。カンボジアではワクチン接種豚であっても日本の豚肉輸出を受け入れる。それだけ安全である。ワクチン接種をしても安全で、味覚的にも問題ない」と応えた。
神尾会長は「県内には生産農家が83軒・9.4万頭いるが、後継者がいる農家は風評被害に困惑している。
江藤農水相は「アフリカ豚コレラが猛威を振るっている。中国では豚価が1.8~2倍に急騰している。豚コレラワクチンを打ったから、安心と思うと、ASFが迫っている。ワクチンを打っても飼養衛生管理基準が揺るがないことを徹底してほしい。
〈畜産日報 2019年10月9日付〉