天然水×エール「サントリーブルー」
〈“レスビター・モアフレーバー”で新市場を創造へ〉コロナ禍が続く中、「外飲み」の受け皿になる格好で、新ジャンル(第3のビール)とRTD(チューハイ・サワー類)の販売が好調だ。サントリーは5月12日に新ジャンル「サントリーブルー」を発売。
サントリー マーケティング本部ブランド戦略部・宮下弘至課長
「ビール類は好き、というお客様も2杯目はハイボールやチューハイなどに切り替える方が増えている。より、スッキリ、飲みやすさを求めるニーズが強い」と分析し、「ここに新ジャンルが更に進化する余地がある」と語る。ターゲットは「ビールの味わいが好きだが、最近ちょっと重いと感じる、RTD併飲層でもある」30~50代の男女だ。販売計画は年間で220万ケース(大瓶20本換算)。
開発は2017年にさかのぼる。当時から、海外の飲料の嗜好トレンドは、苦味を低減し、負担なく・楽に飲める、一言でいえば“レスビター・モアフレーバー”に変化しており、これは日本でも同様の流れだったという。「近年人気の高いレモンサワーも、すいすい飲めるという、ニアウォーター的なアプローチで好まれている。ビールならではの味わいを感じながらも、もっと負担なく楽に飲める、これが低迷するビール類市場を盛り上げる鍵だ」とインサイト仮説をたてた。
スッキリ味でありつつ、こだわって作られた新ジャンル。
「スッキリさ」に、サントリーの「天然水へのこだわり」を掛け合わせた。サントリーのビール類は、もちろんすべてに天然水を使用している。しかし、ここまでパッケージの前面に大きく打ち出すことは珍しい。「サントリーの天然水は、お客様には“南アルプス”や“ウイスキー”、“体に良さそう”“美味しそう”、あるいは“環境活動に熱心”といった、いいイメージを持ってもらえている。スッキリクリアな新ジャンルと親和性が高いと判断した」。
そして、ザ・プレミアム・モルツ〈香るエール〉で培った知見を活かし、醸造香が特徴のエール酵母を使用することで“飲んだ実感”を付与するとともに、カスケードホップを使用することで、爽快感のある香りを実現した。
〈「逆風下」で生まれた新ジャンル、最盛期に向け販促を反転強化〉
メッセンジャーには“真のビール好き女優”として有名という川口春奈さんを起用。TVCMや交通広告で、心からビールを楽しむ飾らない姿を通して、「サントリーブルー」のうまさを率直に表現している。老若男女問わず人気の女優で、反響は大きい。
新商品「サントリーブルー」は、緊急事態宣言下で発売され、CM発表会から店頭PRまで、思ったような販促はできなかった。
また、10月には酒税改正があり、新ジャンルは増税される。「少しRTDと価格差が生まれ、併飲がまた増えることにもなると思うが、流通は少しでも単価の高いものを売りたい。新ジャンルの新しい提案で棚を確保しておきたい」と意気込みを語る。
「他社の追随ではなく、新しい嗜好のトレンドをつくり出したい。そうでなければサントリーが新たに提案する意味がない」。逆風下で生まれた「サントリーブルー」だが、そこには、サントリーの「やってみなはれ」精神が確実に息づいている。
〈酒類飲料日報2020年7月9日付〉

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