経営陣の考えを共有し、従業員のエンゲージメントを高めるためのコミュニケーションのあり方をテーマにしたセミナーが都内で開かれ、経営幹部として組織開発にあたってきた当事者たちが意見を交わした。
このセミナーはスタートアップエコシステム協会(SEAJ)が主催したもので、12回連続で開かれる研究プロジェクトの第3回目。
まず、TimeTreeの深川泰斗・代表取締役社長CEOが「現在のプロジェクトが会社のミッションとどうつながっているのか、分かるようにすることを大切にしている」と紹介。3ヶ月ごとに社内アンケートをとり、事業内容に関する説明があった場合には自ら説明するよう心がけているともした。
これに対し、パネラーを務めるmentoの丹下恵里・取締役COOは「『なぜこのKPIなのか』を従業員に分かってもらい、モチベーションを持ってコミットしてもらうということが大事だ」と応じた。
SmartHRの倉橋隆文・取締役COOは「会社が今“何に賭けているか”を示すことを大切にしている」と切り出した。「例えばSmartHRがスタートした当初はIT企業以外の方に使っていただけなかった。
Voicyの緒方憲太郎・CEOは「“どういう組織体が、どういう事業内容に合うか“ということを考えないといけない」と指摘。「クリエイティブな発想が求められる事業をガチガチに管理してもいけない。スタッフが長く所属している方が良いものが作れるのであれば離職率を下げないといけない。モチベーションがバラバラな人たちを集めて仕組み化することは難しい」と続けた。
セミナーでは、参加者から「これはオフラインでやったほうがいい、ということはあるか」という質問も寄せられた。
これに対しSmartHRの倉橋COOは「ほぼオンラインだが、歓迎会などの飲み会はオフラインでやらないと盛り上がらない」と回答。Voicyの緒方CEOも「この会社に入って良かった、と思ってもらうことが大切。エンジニアも含めてフルリモートはNGとしていて、月に1回集まって全員で何か話をしたり、食事に行ったりしている。そうすることで横のつながりや、満足度の向上につながる」と応じた。
これにはTimeTreeの深川CEOも「オンラインだと自分の意見を一方的に伝える形になってしまうが、オフラインならば議論が生まれたり、しっかり話しあったり出来る」と賛同していた。
次回のセミナーは8月22日に開かれる。
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