若者に人気の街、高円寺(東京都杉並区)。この街に全国に名を馳せる銭湯、「小杉湯」がある。1日の利用者数は500人前後。電車を乗り継いでやってくる熱狂的ファンもいるのだ。
ミルク風呂やフルーツ風呂などの日替わり湯が人気で、さまざまなイベントも行っている。しかし、最新のホットニュースは、小杉湯が連携する築50年の空き家だったアパートを活用した「湯パートやまざき」のオープンだ。都内の銭湯で使える1カ月分の入浴券付きで家賃は5万円~6万円程度。
プロジェクトのきっかけは? 室内の雰囲気は? どんな人が住んでいる? さっそく取材に行ってきました。
「終電で帰ってきても利用できる」銭湯
JR新宿駅から中央線快速で2駅、6分で高円寺に着いた。北口には高円寺の代名詞ともいえる純情商店街のアーチ。「キングオブコント2021」で空気階段が優勝した際は、「高円寺芸人 鈴木もぐらさん おめでとう!!」という横断幕が掲げられた。

高円寺は芸人が多く住む街でもある(写真撮影/片山貴博)
駅から歩くこと5分。昭和8年創業の老舗銭湯、小杉湯が見えてきた。玄関には社寺にみられる丸みを帯びた「唐破風(からはふ)」、屋根には三角形の「千鳥破風(ちどりはふ)」が施されている。

2021年1月には国の登録有形文化財(建造物)に登録された(写真撮影/篠原豪太)
「終電で帰ってきても利用できるように」という思いから、営業時間は深夜1時45分まで。待合では漫画が読み放題で、壁にはアート作品や著名人の色紙も飾られていた。