地域に眠る遊休不動産を活用し、その土地に根ざした文化や暮らしの知恵、体験価値を生かす――。そんな新たな取り組みとして、無印良品を展開する株式会社良品計画が始めたのが「MUJI BASE」です。

そのひとつが、2024年10月に千葉県夷隅郡大多喜町にオープンした「MUJI BASE OIKAWA」。廃校となった旧老川小学校をリノベーションし、地域の風土を体感できる宿泊施設として生まれ変わりました。今回はこの事例を通して、MUJI BASEのコンセプトと取り組みの魅力に迫ります。

無印良品のインテリアに囲まれて過ごせる! 教室をリノベーションした宿泊施設

MUJI BASE OIKAWAは、坂道をのぼった小高い丘の上にあります。千葉県建築文化賞を受賞したという、一見すると小学校らしくないモダンな建物ですが、「老川小学校」と書かれた門柱や石碑が、かつての面影を残しています。

迎えてくれたのは、MUJI BASE OIKAWAの支配人を務める野村俊介(のむら・しゅんすけ)さん。館内を案内してもらいながら、経緯を伺いました。

無印良品が旧小学校を宿泊施設に! 遊休不動産を活用して地域の暮らしを体験できる「MUJI BASE」 千葉「MUJI BASE OIKAWA」レポート

良品計画MUJI BASE OIKAWA 支配人の野村俊介さん(写真撮影/土屋比呂夫)

良品計画が展開する「MUJI BASE」は、地域に根ざした文化や暮らしの体験を通じて、旅の中に“日常”の心地よさを取り戻すことを目指すプロジェクトです。地域の遊休不動産を活用し、その土地ならではの魅力を伝える拠点として運営されています。

MUJI BASE OIKAWAは、旧小学校の教室を、宿泊者や地域住民が利用できる空間としてリノベーションした施設です。大正末期に開校し、現在の校舎は2000年に建て替えられたもの。2013年に廃校となるまでの13年間、小学校として使用されていました。建て替え当時から児童数の減少が見込まれており、将来的な廃校も視野に入れての計画だったといいます。

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付近には養老渓谷があり、山に囲まれた自然豊かな環境(写真撮影/土屋比呂夫)

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千葉県建築文化賞を受賞した建物を、歩きながら見学できる楽しみも(写真撮影/土屋比呂夫)

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どこか懐かしい中庭を通り抜ける渡り廊下。歩いていると無印良品のスタッフさんが親切に声をかけてくれて、何だか嬉しくなった(写真撮影/土屋比呂夫)

「訪れた方々からは、『無印良品の雰囲気にぴったりな建物ですね』と言われることが多いのですが、外観はほとんど変えておらず、主に内装や設備のみを改修しています」(野村さん)

宿泊施設としては、A棟とB棟の2つの棟があります。A棟は、一棟貸しの施設で、シングルベッド5台と布団5組を備え、最大10名まで宿泊可能です。グループや合宿、研修など、団体での利用に適しています。B棟には2つの客室(room5とroom6)があり、共用のキッチン・リビング・バスルームを備えています。各室にはシングルベッドが5台ずつ設置されており、1室での利用も、貸切での利用も可能です。

「どちらも教室をリノベーションしています。3世代のご家族や仲の良い友人グループなどでの利用が多いですね。無印良品のソファやベッド、食器などを使用できますが、すべてを無印良品の商品でそろえるのではなく、もともと小学校で使われていたものを活かしたアイテムも取り入れるようにしています。施設全体も、リノベーションですべてを新しくするのではなく、既存の備品や構造を活かしつつ、無印良品の製品を組み合わせて使うというコンセプトです。もともとの設備や雰囲気との調和を大切にしています。たとえば、玄関のシャンデリア風ライトには、アンティークの車輪をリメイクした照明を使用しています」(野村さん)

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A棟の室内。

図工室で使われていた作業台をダイニングテーブルに。どっしりとした武骨さがいい(写真撮影/土屋比呂夫)

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新たに小上がりを設け、布団を敷いて眠れる畳スペースに(写真撮影/土屋比呂夫)

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キッチンには、無印良品の食器や電子レンジ、電気ポットなどが備えられており、簡単な調理ができる(写真撮影/土屋比呂夫)

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柔らかな日差しが差し込むベッドルーム。最大5名まで宿泊可能(写真撮影/土屋比呂夫)

無印良品の商品に囲まれ、実際に使用感を体験できる室内は、無印ファンにとっては夢のような空間です。
室内には、鉱物の標本やバスケットボールを使った壁面ディスプレイ、トランペットやロート、ケーキ型を用いたランプシェードなど、遊び心あふれる演出が散りばめられています。これらは、良品計画が展開するインテリアブランド「IDÉE(イデー)」による空間演出です。アップサイクルとは、本来であれば廃棄されるはずのものに手を加え、元の製品よりも価値の高いものへと再生させる手法。単なるリサイクル(再資源化)とは異なり、創造的なアイデアやデザインによって、新たな魅力や用途を持つ製品に生まれ変わらせるのが特徴です。

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サイドテーブルは学習机。窓から見えるのは校庭(写真撮影/土屋比呂夫)

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トランペットをアップサイクルして、ランプに(写真撮影/土屋比呂夫)

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こちらのランプシェードは、科学室で使われていた実験器具、ロート(写真撮影/土屋比呂夫)

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中庭にはピザ窯があり、宿泊者は、有料オプションでピザ焼体験ができる(写真撮影/土屋比呂夫)

コインラインドリーや無印ショップ、コワーキングや多目的ホールも

教室を改修した客室のほか、地域の人も利用できるコワーキングスペースやコインランドリーも併設されています。宿泊スペース以外の教室も案内していただきました。最初に訪れたのは、コワーキングスペースです。

「ここは、もともと職員室だった場所です。既存のガラス張りのパーテーションの奥が有料エリアになっています。

都市部からのワーケーション利用もありますが、利用者の大多数は地元の方です。最も若い利用者は高校生で、大学受験の勉強に活用されています。ドロップイン(1日利用)は1000円ですが、月額利用は3000円と、地域の方が気軽に使えるよう、利用しやすい価格に設定しています」(野村さん)

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パーテーションの手前は、飲食できるコミュニティスペース。宿泊のチェックインもここで(写真撮影/土屋比呂夫)

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体育館の屋根にあった老川小の校章。「手彫りで色合いもとても優しい感じで温かみがあって。シンボルとして使わせてもらっています」(野村さん)(写真撮影/土屋比呂夫)

次に案内していただいたのは、かつての職員玄関です。野村さんによれば、「既存の備品や構造を活かしつつ、無印良品の製品を組み合わせて使うというコンセプト」を現した施設を象徴する場所とのこと。現在はインフォメーションスペースとして活用されていますが、見どころは、施設のコンセプトに沿ってセレクトされた壁面の装飾と、天井に設置されたシャンデリア風のライトです。壁に展示されているアイテムの一部は、実際に無印良品の店舗で販売されている商品で、小学校時代に使われていたブリキのバケツや、八百屋から譲り受けたリンゴ箱などもディスプレイの一部として再利用しています。

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玄関を入って左側にあるインフォメーションには、地図が設置されている。最寄りの飲食店を紹介したポストカードは、持ち帰ることも可能(写真撮影/土屋比呂夫)

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無印良品の商品とアンティークが、違和感なく溶け合っている。ブリキのバケツには、「6年生」の文字が(写真撮影/土屋比呂夫)

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アンティークの車輪からライトを吊るした個性的なシャンデリア風ライト(写真撮影/土屋比呂夫)

野村さんは千葉県鴨川市の出身。

入社後は店舗運営や店舗開発業務に携わり、地域事業への関心が高まったタイミングで、地域連携を担う部署へと異動しました。MUJI HOTELの立ち上げにも従事した後、さまざまな経緯を経て、かねてより借り受けていたものの活用が進んでいなかった大多喜の施設(現在のMUJI BASE OIKAWA)に、自ら手を挙げて関わることを決意。約2年半前に現地へ移住し、本格的に事業化に向けて動き出しました。

「この施設は2017年から無印良品が借用していたのですが、シェアキッチンや多目的ホールの利用、マルシェの開催など単発的な催しが中心で、継続的な事業には至っていませんでした。『いつになったら本格的に始まるのか』という地域の空気を感じる中で、これ以上何も進まないままでは申し訳ないという思いが、行動の原動力になりました」(野村さん)

その後、野村さんは地域住民や元校長先生などに直接話を聞きながら、日々の暮らしの中での困りごとやニーズを丁寧に拾い上げ、施設のサービス内容に反映していきました。

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地元のお米農家の声を活かし、地域産米のブランド力を高める取り組みとして、カレーをもっとおいしく食べるためのお米「プリンセスサリー」を開発(写真撮影/土屋比呂夫)

かつて保健室だったスペースは、現在コインランドリーとして活用されています。このコインランドリーは、野村さんにとって特に思い入れのある施設のひとつ。やや意外に思えるかもしれませんが、そこには深い思いが込められていました。

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取材の日にも、赤ちゃんを抱いたお母さんが洗濯機を回している姿が見られた(写真撮影/土屋比呂夫)

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一角に設けられた休憩スペース(写真撮影/土屋比呂夫)

「この施設は宿泊機能がメインですが、宿泊者だけが利用する場所にしてしまうと、地域の方々からは縁遠い存在になってしまいます。無印良品は“日用品を扱う会社”として、日々の生活に寄り添いたいという想いがあります。売店の設置に加え、地域の暮らしに本当に必要なものを模索してきました。その中で注目したのが、老川地区にこれまで存在しなかった『コインランドリー』です。

コンビニと同様、生活インフラとして必要なものであり、とくに田舎でも“乾燥機”へのニーズは高い。実際、住民の方が洗濯のために30分かけて街の中心部まで通っているケースもありました」(野村さん)

そうした背景から設置されたコインランドリーは、地域に根差した存在へと成長。「地域の方から最も感謝されているのは、もしかしたらこのコインランドリーかもしれません」と野村さんが語るほど、日常に欠かせない場となっています。

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多目的ホール。コワーキングスペースを利用していた人の結婚式を催したことも。アイドルのミュージックビデオに使われたことからファンの聖地にもなっているという(写真撮影/土屋比呂夫)

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多目的ホールの2階部分は図書室に(写真撮影/土屋比呂夫)

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レトロ感のある非売品のジャンボ絵本(写真撮影/土屋比呂夫)

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昔懐かしい音楽室はそのままの姿で。小学校で使われていたピアノや木琴を含む楽器を自由に演奏することができる(写真撮影/土屋比呂夫)

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施設内では養蜂も行われている。校舎の一角からは、窓越しに巣箱の様子を至近距離で観察することができる。希望者向けに、養蜂家による解説付きのワークショップも開催(写真撮影/土屋比呂夫)

さらに、現在、農業体験ができる菜園を整備中。今後の展望として、MUJI BASE OIKAWAでは「地域体験型宿泊施設」としてのプログラムをさらに充実させていきたいという考えがあります。

「例えば、大多喜町では放置竹林の整備を進めることで、春に美味しいタケノコが採れる環境づくりに取り組んでいます。そうした活動に宿泊者が実際に関わることができるような体験プログラムや、都会から来た人に、畑を荒らす野生動物による被害の実態と向き合う機会を提供したいと考えています。

単に“収穫を楽しむ”だけではなく、その背景にある自然環境の管理や整備の大切さまでを含めて学べる、地域に根ざした体験プログラムを構想中です」(野村さん)

「日常の延長として、その土地での暮らしを体験できる」3つのMUJI BASE

実は、「MUJI BASE OIKAWA」は、良品計画が展開するMUJI BASEプロジェクトの三例目にあたります。
このプロジェクトについて、ソーシャルグッド事業部 MUJI STAY担当課長廣川剛史(ひろかわ・たけし)さんに伺いました。

「MUJI BASEは、『もし自分の家のような場所が日本各地にあったら、どんなライフスタイルが生まれるか』という発想から始まっています。ビジネスホテルのようにフォーマットが決まったものを全国に展開するのではなく、それぞれの地域に合った暮らし方をデザインすることが根幹にあります」(廣川さん)

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MUJIBASEは、「地域の溶け込むもうひとつのくらし」を提案するMUJISTAYの取り組みのひとつ(画像提供/良品計画)

MUJI BASEでは、地域に眠る遊休不動産や、その土地に根ざした文化・暮らしの知恵・体験価値を活かすことを重視しています。

「私たちは、生活雑貨からスタートした企業として、一般的なホテルや旅館が提供する“非日常”とは異なる価値を大切にしています。3つの地域に展開するMUJI BASEでは、日常の延長として、その土地での暮らしを体験していただくこと、自分の家にいるような安心感や心地よさを、旅先でも感じてもらえる空間づくりを行っています」(廣川さん)

古民家を再生した「MUJIBASE KAMOGAWA」とアートの島を感じる「MUJIBASE TESIMA」

プロジェクトの第一弾として、2023年8月1日に千葉県鴨川市に「MUJI BASE KAMOGAWA」がオープンし、続けて、2024年4月26日に香川県豊島に「MUJI BASE TESHIMA」がオープンしました。

「鴨川では、酪農や農業が盛んですが、その魅力が十分に知られていない現状があります。実は、鴨川は日本の酪農発祥の地でもあるんです。宿泊を通じて、そうした地域の産業や文化を体験していただく機会を提供できればと考えています」(廣川さん)

MUJI BASE KAMOGAWAの象徴的な特徴の一つが、皆で集えるキッチンです。玄関を入ると、広い土間とキッチンダイニングが広がっており、共に食事を楽しむことで、自然な交流が生まれる空間となっています。

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MUJI BASE KAMOGAWA(画像提供/良品計画)

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古民家の調度品と無印良品の家具や什器の組み合わせが素敵。米どころとしても知られ、ここでは、地元で採れた食材を使って食事を楽しむことができる(追加オプションプラン)(画像提供/良品計画)

一方、豊島では、瀬戸内国際芸術祭の影響もあり、アートに関心の高い方々が多く訪れます。

「この場所は少し特殊で、もともと瀬戸内国際芸術祭の際に、古い民家を真っ白なパビリオンのように改修し、アート作品の一部としてリノベーションされた建物です。そのため、他の拠点とは異なり、アートの要素が色濃く残る空間になっています。ここに宿泊される方々は、アートに高い関心をお持ちの方や、文化的な感度の高い方が多いですね。海外からの観光客の割合も比較的高く、通常、二泊三日で滞在される方が多いです」(廣川さん)

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MUJI BASE TESIMA(画像提供/良品計画)

MUJI BASE TESHIMAのインテリアは、無印良品が展開するインテリアブランドIDÉEが手掛けています。 滞在中に使用する器は、豊島周辺の瀬戸内地域で活動する現代作家の作品がセレクトされています。これらの器を通じて、地域の文化やクラフトマンシップを感じることができます。

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日本の美意識や見立てをテーマに、日本のヴィンテージ家具やモダンデザインのインテリア、日本のアーティストによる作品がコーディネートされている(画像提供/良品計画)

良品計画では、今後、別の地域でも『自分の家のような心地よさ』を感じられる場所をつくることを目指しています。日本各地にそういった場所があったら、どのようなライフスタイルが生まれるのか……全国のMUJI BASEを訪ね、自分の変化を感じてみたくなりました。

●取材協力
MUJI BASE

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