リクルートは、「SUUMO住みたい街ランキング2025 北海道/札幌市版」を発表した。2年前の前回同様、大規模な再開発など複数のプロジェクトが進む札幌都心部のほか、札幌市以外の街も上位にランクインしている。
「札幌」が北海道版、札幌市版共に、2025年「住みたい街(駅)」の1位

「SUUMO住みたい街ランキング2025 北海道版/札幌市版」調査報告書より。北海道居住者全体(3つまでの限定回答)。※2020年より特典を合算しはじめた/合算方法が変わった駅の集計結果。黄色いマーカーを引いた駅は2020年以降の最高順位を今年更新した駅 **:琴似(地下鉄東西線とJR函館本線/千歳線、それぞれで集計)

「SUUMO住みたい街ランキング2025 北海道版/札幌市版」調査報告書より。札幌市居住者全体(3つまでの限定回答)
今回の「住みたい街ランキング」は、北海道に居住している20歳~49歳の男女1600名にアンケートを実施。北海道民、札幌市民が「住んでみたい」と思う憧れの街(駅)と自治体をランキング化したものだ。
前回の2023年、前々回の2020年に続き北海道版も札幌市版も、「住みたい街(駅)」の1位は「札幌」。JR函館本線、千歳線のほか、市営地下鉄は南北線、東豊線が通る北海道の中心地だ。北海道新幹線の札幌延伸開業が、難航するトンネル工事の影響で当初の予定より遅れているとはいえ、JR札幌駅周辺では再開発や、札幌駅前通沿いのビルの建て替えなど進行する複数のプロジェクトによって街が進化していく期待感が、多くの住民の憧れを集め続けているのだろう。

札幌西武跡地で進行する北4西3地区第一種市街地再開発事業。2025年3月に新築工事が着工した。33階建ての南棟と9階建ての北棟で構成される複合施設が2028年の竣工を目指す(画像/PIXTA)
前回の3位から2位に上昇したのが「大通」。

「大通」にある大通公園は、美しい芝生や花壇、さまざまなイベントで市民や観光客を楽しませている(画像/PIXTA)
札幌市以外の駅で上位10位に入っているのは「函館」と「旭川」。特に函館はトップ3に2020年以降、連続ランクインしている。ベイエリアや朝市、異国情緒あふれる街並みが多くの観光客を集めるが、暮らす街としての人気も高いことがうかがえる。同じ函館市内の「五稜郭」も8位にランクインしているほか、札幌市民の「住みたい街(駅)ランキング」でも、札幌市内以外の街で唯一10位以内の8位となった。

函館山から望む函館市街。海に挟まれた独特の風景が印象的(画像/PIXTA)
前回の調査から「麻生」「中島公園」「すすきの」が大幅ランクアップ
北海道版では地下鉄南北線の始発駅「麻生」が15位から10位に上昇。札幌市版でも7位に入っている。札幌市版で、前回の調査から大幅にランクアップしたのは「中島公園」「すすきの」の隣り合う2つの街。「中島公園」は前回の23位から9位に(北海道版では前回の22 位から14位に上昇)、「すすきの」は前回の21位から15位にランクインしている。
また、北海道版「住みたい街(駅)ランキング」では、2020年は圏外だった「北広島」が、2023年から徐々に上昇し今回は6位。北海道ボールパークFビレッジ開業で注目を集めるだけでなく、北広島駅西口や日本ハムファイターズの球場の近くの新駅の整備、2028年をめどにした北海道医療大学の移転計画など、北広島は新しいニュースが次々に生まれる動き続ける街だ。
そのほか、北海道版・札幌市版共に、2023年12月に駅周辺の大規模複合開発が完了し暮らしの利便性がアップした「新札幌」や、古くから人気の住宅地「円山公園」がトップ5にランクイン。「桑園」も北海道版・札幌市版のトップ10 に入った。

北広島市に開業した北海道ボールパークFビレッジのエスコンフィールドHOKKAIDO(写真/PIXTA)
「住みたい自治体ランキング」の圧倒的1位は「札幌市中央区」
住んでみたい街を、自治体単位(札幌市の場合は区単位)で調査したランキングでは、北海道版、札幌市版共に「札幌市中央区」が圧倒的な1位だ。「札幌市中央区」には、北海道版・札幌市版「住みたい街(駅)」ランキング」で上位に入った都心の「大通」「桑園」「すすきの」、人気住宅地の「円山公園」があるほか、「札幌」駅の南口が中央区に隣接しているまさに札幌を代表する街が集まるエリアだ。また、2位の「札幌市北区」にあるのは「札幌」駅と「麻生」駅。
北海道版、札幌市版共に3位、4位に入った「札幌市豊平区」「札幌市西区」には、札幌市版の「住みたい街(駅)」ランキング」で「平岸」(札幌市豊平区)、「琴似(地下鉄東西線)」(札幌市西区)、「琴似(JR函館本線)」(札幌市西区)が上位にランクインしている。

「SUUMO住みたい街ランキング2025 北海道版/札幌市版」 調査報告書より(北海道全体/3つまでの限定回答)

「SUUMO住みたい街ランキング2025 北海道版/札幌市版」調査報告書より。札幌市居住者全体(3つまでの限定回答)
「住みたい沿線ランキング」は地下鉄が人気。札幌市電も上位に

「SUUMO住みたい街ランキング2025 北海道版/札幌市版」調査報告書より。北海道居住者全体(3つまでの限定回答)
北海道の冬季の通勤・通学は雪に大きく影響される。「住みたい沿線ランキング」では、天候の影響を受けにくい地下鉄が上位に。札幌市内を走る3路線のうち、「地下鉄東西線」が1位、「地下鉄南北線」が2位、「地下鉄東豊線」が5 位にランクインした。「地下鉄東西線」は北海道版「住みたい街(駅)ランキング」で上位の「大通」「新札幌(地下鉄駅名は「新さっぽろ」)」「円山公園」を、「地下鉄南北線」は「札幌(地下鉄駅名は「さっぽろ」)」「大通」「麻生」「すすきの」を通る。「地下鉄東豊線」は「札幌(地下鉄駅名は「さっぽろ」)」「大通」のほか、すすきのの東エリアにある「豊水すすきの」がある路線だ。
「地下鉄東豊線」よりも上位に入ったJR線は3位の「JR函館本線」と4位の「JR千歳線」。いずれも「札幌」駅を利用する人にとって欠かせない路線。ほかに、「JR函館本線」は、「住みたい街(駅)ランキング」で上位の「函館」「桑園」「五稜郭」「旭川」を、「JR千歳線」は「新札幌」「北広島」を通っている。
前回の7位から6位にアップした「札幌市電」は、「住みたい自治体ランキング」で1位の「札幌市中央区」の中心部を、円を描くように通る路線。市電沿線は古くからの住宅地や商店街が広がる下町の雰囲気と、藻岩山や豊平川、中島公園などの豊かな自然が共存する独特な空気が感じられる。近年は沿線に分譲マンションが増え、暮らす街としての魅力もアップしている。

「大通」や「すすきの」など都心を経由し、藻岩山など自然が身近なエリアを通る札幌市電(画像/PIXTA)
「穴場だと思う街(駅)ランキング」は、3位「麻生」と4位「恵庭」が初登場
「穴場だと思う街(駅)ランキング」は、交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある街を調査したものだ。
1位は「住みたい街(駅)ランキング」で上位の「札幌」と「新札幌」。「札幌」は今後の大規模再開発で、「新札幌」は2023年に完了した大規模複合開発による新しい街「マールク新さっぽろ」の誕生で注目を集める。
3位の「麻生」と4位の「恵庭」は、「穴場だと思う街(駅)」に今回初めてランクイン。「麻生」は地下鉄南北線の始発駅。地下鉄さっぽろ駅まで約9分でアクセスできる利便性の良さが魅力の街だ。駅直結のイオン札幌麻生店があるほか、飲食店や金融機関、クリニックなども多く、日常生活のほとんどが駅周辺でまかなえる。4位の「恵庭」は、JRの快速エアポートで札幌駅や新千歳空港に乗り換えなしでアクセスできる利便性をもちながら、比較的手頃な予算で賃貸や住宅の購入が可能。また、恵庭市は「花のまち」としても知られ、住民の庭先や公園、公共施設などでのガーデニングが盛ん。自然が身近な環境づくりが行われていることも魅力の街だ。

「SUUMO住みたい街ランキング2025 北海道版/札幌市版」調査報告書より。北海道居住者全体(3つまでの限定回答)

「恵庭」は花のまち。
前回の調査結果と同様、上位にランクインしたのは「札幌」「大通」「新札幌」「北広島」といった、再開発などによって街が進化している駅。また、「円山公園」「函館」など暮らす街として古くから人々の憧れを集めてきた駅の人気も根強いことがわかる。今も、札幌市内や北海道内では複数のプロジェクトが進行している。街の変化によって、北海道民、札幌市民が住みたい街が今後どう変わっていくのか注目していきたい。
●関連サイト
SUUMO住みたい街ランキング2025 北海道版/札幌市版