地獄のすさまじい光景を描写した絵本『地獄』が、今年に入ってから売り上げを一気に伸ばしている。
針地獄、釜ゆで地獄、鬼に切り刻まれる亡者の絵など、大人でも怖くなりそうな絵が満載のこの絵本は、1980年に初版が発行され現在でも増刷を重ねているロングセラー作品だ。
購入しているのは子どもをもつ父母が中心。しつけに効果テキメンで、「悪いことしたら地獄に落ちるよ」とストレートな言い聞かせができるのが人気の理由らしい。漫画家・東村アキコが自身の作品『ママはテンパリスト』で、「息子のしつけに頭を悩ませていたが、この絵本を読ませたところ効果は予想以上だった」というエピソードを紹介したことも、人気爆発を後押ししている。
Amazonのレビューには、
「怖い絵がトラウマになる可能性がある」
という意見がある一方、
「(自分が子どものころに読んで)地獄が本当にあるかはわかりませんが、誰も見ていなくても、行いが見られているんだということは強く感じました」
「今の時代の子供に必要な事を教えてくれる絵本な気がしました」
「他人に迷惑をかける行為を抑止する力になるなら、こういう“地獄”があるんだと思う事はいいと思います」
などと、好感を寄せる意見が目立っている。
地獄の恐ろしさを植えつけて終わるのではなく、絵本の読み聞かせをきっかけに、子どもに「いいこと」と「悪いこと」の区別をきっちり教える機会を得られることが、最大のメリットなのかもしれない。
元画像url http://jrnl-parts.s3.amazonaws.com/wp/wp-content/uploads/2012/07/dc81a5b2ed437803a8d24363c1216eb3.jpg