大がかりな改修は施さず、色やデザインを変えるだけで“昭和の団地”が“粋でオシャレな空間”に大変身。そんな団地リノベーションプロジェクト「暮粋(くらしっく)」シリーズ(UR都市機構)に人気が集まっている。

コストを抑えた改修で、大幅な家賃アップをしないリノベーションが完成。「募集をかければ、すぐに予約が入り、生産が追いつかない団地も!」と担当者がうれしい悲鳴を上げるほどだ。金剛団地(大阪府富田林市)では、今月約20戸の「暮粋」を供給。本日2月22日、第2回目の募集を開始した。


■粋な色のコントラストが新鮮

「団地らしさを活かしながら大胆変身を」とプランニングされた「暮粋」シリーズ。低層階(1~2階)の「レトロ色」プランと、上層階(3~5階)の「白色」プランの2タイプを用意しており、間取りはそれぞれ2LDKと2DK。

まずは「レトロ色」プランをのぞいてみると…。
桟など木の部分と床が全て小豆色、壁は白で統一されている。このコントラストがなんともレトロだけれどお洒落で、“粋”な印象だ。一般のマンションでは見たことのない独特な色合いは「どんな家具を置いてインテリアを楽しもうか」と、住み手のイマジネーションを刺激してくれる。

「デザイン開発担当者が、地方を走る列車の内装からイメージしたんです」とUR都市機構の小正茂樹氏。
どこか懐かしく、落ち着いた色合いは「上層階まで上がるのが大変な熟年世代の方にも親しまれるよう」との配慮からだ。

2LDKタイプは、もともと3DKだったが、DKと和室をつなげ14.4畳の広いリビングに

白いタイルを貼ったキッチンは清潔で使い勝手も良さそう。冷蔵庫や洗濯機置き場がきちんと確保され、水まわりは生活に必要なものがシンプルに設置されている


■グレーの畳でモダンな和室ライフも

上層階用の「白色」タイプは若い世代がターゲットだ。部屋全体が白が基調で、柱や桟なども白く塗られている。そのなかで襖の青がアクセントカラーに。白と青の組み合わせの空間がモダンな印象だ。

なかでも2DKタイプは、もともと3Kの間取りだったが、キッチン続きの和室をフローリングに変えずあえて畳のままでアレンジ。

それでも古さを感じないのは、薄いグレーのカラー畳を使っているから。い草の畳より強度があり、ソファーやテーブルなどを置いても傷みにくい。床座でも椅子座でもOKのモダンな和室をどう使いこなすかが楽しみだ。

2DKの襖を取り払って広々した空間に

襖は「研ぎ澄まされた蒼」と名付けられた色調でアクセントを付けた。白い壁とのコントラストが美しい

薄いグレーのカラー畳で和室がぐっとモダンに変身


■2月中に約20戸募集予定。ほかに4団地も

「広々した敷地にゆったりと配置された団地は、非常に贅沢な住環境。

日当たりや風通しが良いシンプルな設計は団地の魅力です」と小正氏。

すでに第1回の募集は終わり、本日(2月22日)第2回の募集が開始される。専有面積43.33㎡~52.42㎡で家賃は4万円台~5万円台。「このデザインでこの家賃?」と思わせてくれる。競争率は高そうだ。

「暮粋」シリーズは向ヶ丘第二(堺市)、香里(枚方市)、総持寺(茨木市)、観月橋(京都市)、金剛の5団地で募集している。

●UR都市機構(金剛団地)
HP:http://www.ur-net.go.jp/kansai-akiya/osaka_minami/1340.html

●UR都市機構(暮粋)
HP:http://www.ur-net.go.jp/kansai/Kura-Chic/ 元画像url http://jrnl-parts.s3.amazonaws.com/wp/wp-content/uploads/2013/02/38439main.jpg