●長崎県の壱岐島は博多港から高速船(ジェットフォイル)を使えば約60分で辿り着きます。4月からはオンシーズンを迎え、美しい海、新鮮な農産物や海産物を楽しめます。

この記事ではおすすめの観光ルートを紹介します。

 長崎県壱岐市は、九州北部の玄界灘沖、福岡県と対馬市の中間にある島です。空港を有し、長崎空港より飛行機を使うこともできますし、博多港からは約60分で到着する高速船を利用することもできます。実はとても“行きやすい”島なのです。

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
フェリーと比べても快適に乗れました

 壱岐市の魅力は、離島ならではのエメラルドグリーンブルーの海にとどまらず、食も温泉も豊富なのです。港で獲れる魚介はもちろんのこと、地下水が豊富で、これまでの歴史上で水不足を経験したことがほとんどないとされる奇跡の島です。

果物や野菜はもちろん、お米もたっぷり実り、自給自足が可能な島なのです。

『日本書紀』や『三国志』、歴史の教科書にも名を残す歴史ある島

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
観光名所「はらほげ地蔵」は六道における苦しみや悩みから救ってくれると伝えられています

『日本書紀』、『古事記』、『三国志』の中の「魏志」倭人伝などにも壱岐島の名が綴られ、かの有名な「元寇」による侵攻を受けた地であります。歴史好きなら一度は訪れたい場所ですね。ということで魅力たっぷりな壱岐島を訪れ、最新の観光スポット&グルメを紹介します。

エメラルドグリーンの海が無人島を囲む「辰の島」へ

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
「辰の島遊覧クルージング」2000円、「遊覧と辰の島上陸」2500円

 まず島に到着したら辰の島遊覧へ。壱岐市には勝本港の沖に浮かぶ無人島で、エメラルド色の海と白い砂浜、壮大な断崖など自然が作り出した神秘的な景色を楽しめます。

 船上で遊覧するプランや上陸して島内を散策できるプランもあります。4月から11月は定期運航していますので、気軽に体験できますよ。

『壱岐の蔵酒造』で焼酎の試飲&オリジナルGINブレンド体験

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
『壱岐の蔵酒造』の外観

 アメリカや台湾など世界各国への輸出実績のある『壱岐の蔵酒造』。蔵では焼酎の購入や試飲、見学も受け付けています。

 冒頭で述べたように、島でありながら地下水が豊富で、この奇跡の水は焼酎造りにも活かされています。ミネラル分が多く、水質も清く、さらに同じ島内でも地下水の味わいに違いが生まれるので、滞在中は蔵巡りも楽しんでみましょう。

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
ラボをイメージした販売所は試飲体験もできます

 焼酎の歴史は深く、大陸から蒸留技術が伝わったのは室町時代以降、平戸藩の年貢の対象外だった大麦を主原料とし、麹は使い慣れた米麹を使用するようになったのが、壱岐麦焼酎の原型です。大麦と米麹で仕込んで、3週間発酵させた後に蒸留します。

 現在も原料に米、麦を用いて、丁寧な仕込みを行っていて、米の甘みと麦の香りのバランスが良いと評価を受けています。

中でもウイスキーのような飲みごたえと香りを楽しめる熟成焼酎がお気に入り。全国へ配送もできますので、観光中も安心して買い物できますよ。

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
「オリジナルGINブレンド体験」2000円

 3月からサービスを始めた「オリジナルGINブレンド体験」。『壱岐の蔵酒造』で造っているクラフトジンをベースに、好みのスピリッツを組み合わせて、オリジナルGINを作れます。ボトル詰めからラベル貼り、栓をするところまで丸ごと体験できます。

●SHOP INFO

店名:壱岐の蔵酒造

住:長崎県壱岐市芦辺町湯岳本村触520
https://ikinokura.co.jp/

『バナナファーム壱岐』で絶品の無農薬バナナジュース&アイスクリーム

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
『バナナファーム壱岐』のバナナ

 さて、『壱岐の蔵酒造』からほど近く。『バナナファーム壱岐』も外せない観光スポットです。

バナナ農園の見学とフレッシュなバナナジュースをいただきました。『バナナファーム壱岐』は、いわゆる観光地にありがちな施設ではありません。なぜバナナを国産無農薬で作るのか、身近な果物だからこそ知っておきたい知識を学べますよ。

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
「バナナアイス」

 作り立てのバナナジュースやバナナアイスは、やさしくもコクのある甘さで、体にすーっと染み込みます。他のバナナは受け付けなくなってしまうくらい衝撃を受ける美味しさです。

●SHOP INFO

店名:バナナファーム壱岐

住:長崎県壱岐市芦辺町湯岳興触467-1
営:10:00~16:00
休:水曜

ディナーは壱岐牛に舌鼓!

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
『壱岐牛・和牛 弦』

 夜はちょっと贅沢にということで、『壱岐牛・和牛 弦』に予約しました。壱岐牛の焼肉をメインに、ステーキや丼物などを提供しています。

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
「壱岐牛極盛り合わせ」9000円

「壱岐牛極盛り合わせ」は、ヒレ、特上ロース、特上カルビ、赤身の良いとこどり。単品で注文するよりもお得に食べられます。ランチタイムはさらにリーズナブルで、「壱岐牛ランチ」3300円、「壱岐牛ハンバーグ」1500円で提供しています。

 壱岐牛の魅力は、なんといっても旨味の濃さなので、ぜひ焼肉やステーキなどダイレクトに感じられる食べ方がおすすめ。サシがしっかり入っていますが、脂のキレが良く、とてもジューシー。ミネラルの含んだ水や牧草を食べて育っていますので、香りも良く、味わいがとても豊かなのです。

●SHOP INFO

店名:店名壱岐牛・和牛 弦

住:長坂惟謙壱岐市郷ノ浦町片原触441
営:11:30~14:00、17:30~22:00
TEL:0920-47-0577
休:火曜

宿泊は日本初の木造4階建て『モクヨンビル』へ

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
『モクヨンビル』外観

 壱岐市は温泉も有名で、世界的なガイドブックに掲載されるような有名な旅館もあります。しかしながら今回選んだのは『モクヨンビル』。日本初の大規模な4階だての木造建築です。吹き抜けの天井はぜひ1階ロビーから見上げてみましょう。建築的な美しさに圧倒されることでしょう。

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
建築好きにも奨めたいお宿

 1階はカフェ、2階が宿泊スペースになっています。階段も廊下もベッドも何もかも木でできていて、旅の疲れを吸い取ってくれるよう。天井も高く、開放感があります。

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
1名5000円※ツインルーム(向かえ側にもう一台ベッドがあります)

 部屋はツインルームの他、二段ベッドのある部屋もあります。この日はあいにくの雨模様でしたが、ぽつぽつと聞こえる雨音もまたご褒美で五感が癒されます。『モクヨンビル』の向かいには天然の温泉もあり、Wi-Fi環境もばっちり! 長期滞在者にもおすすめです。

●SHOP INFO

店名:睦モクヨンビル

住:長崎県壱岐市郷ノ浦町片原触407-1
営:24時間営業※1階カフェは10:00~18:00
TEL:0920-47-1819
休:無休※1階カフェは水曜、木曜

モーニング:早起きしたら『かもめの朝ごはん』で朝定食

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
『かもめの朝ごはん』 [食楽web]

 朝は早起きをして、朝ごはんを食べに出かけましょう。現在、朝食は土日祝日のみ開催しています。「アジフライ定食」や「刺身定食」の他、「朝食バイキング」も実施しています。

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
「刺身定食」900円

「刺身定食」は朝どれの刺身3種類に干物、玉子焼きなどボリューム満点! 刺身は旨味が濃厚で、冬は寒ブリやカマス、イサキ、夏はケンサキイカを味わえるそう。焼き立ての干物も絶品で、皮まで美味しくいただけます。11時からの「ランチバイキング」も1350円で、お得にお腹いっぱいになれます。

●SHOP INFO

店名:かもめの朝ごはん

住:長崎県壱岐市郷ノ浦町郷ノ浦405-6
営:平日11:00~14:00、土日7:00~9:00、11:00~14:00
休:水曜

お土産:『下條くだもの店』で果肉たっぷりのジャムを大人買い

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方

 せっかく早起きしたなら、勝本朝市にも足を延ばしましょう。『下條くだもの店』の手作りジャムは一度食べたら忘れられないと県外のファンも大勢います。著者も友人たちに配ったところで、「お行儀が悪いけど、スプーンで瓶ごと食べた」という人もいたくらい大好評でした。

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
年間40種類ものジャムを製造

 店で販売している果物を砂糖とレモンのみと、昔ながらの製法で作っているので果肉率が高いのです。現オーナーのおばあさまのレシピを守って作っているそうで、「りんご」や「壱岐産いちご」、「壱岐産甘夏マーマレード」など旬の果物を使った10種類のジャムが並び、端から端まですべて買い占めたくなるほどおすすめです。

●SHOP INFO

店名:下條くだもの店

住:長崎県壱岐市勝本町勝本浦192
営:7:00~20:00
休:無休

【壱岐島グルメ旅】歴史好きなら一度は訪れたい! 博多から60分で行ける楽園「壱岐島」のグルメな一泊旅の巡り方
レトロかわいい紙袋でお土産にピッタリ

 島の旅は時間の“ゆとり”がポイント! まだまだ紹介しきれていないスポットがたくさんありますので、ぜひ2泊、3泊と壱岐市にゆっくり滞在してみてはいかがでしょうか。

●DATA

壱岐観光ナビ

https://www.ikikankou.com/

(撮影・文◎亀井亜衣子)