コロナの影響でお出かけしにくい状況が続いていますが、こんな時こそデカ盛りグルメを見て元気を出しませんか? 外食目的のみのお出かけは難しい状況ですが、パワフルなデカ盛り料理を見て気分転換を。状況が収束したらぜひ食べに行ってみてくださいね!

 東京の多摩地区~埼玉西部のご当地名物「武蔵野うどん」。

太めのうどんに、出汁の効いた具沢山のあったかい汁につけて味わうスタイルが主流です。きのこたっぷり汁とか、豚肉入りや鴨南蛮汁とか。

 そんな関東ローカルフードの武蔵野うどんにもメガ盛りサイズがあると聞き、向かったのはJR武蔵野線、東所沢駅から徒歩10分ぐらいの場所にある『本格手打ち かんたろう』。山吹色の壁に、ワインレッドの暖簾が目印です。

約1.5kg! 所沢『本格手打ち かんたろう』で巨大すぎるメガ盛りうどんを食べてきた

 店に入り、メニューを見て発見。つけ汁うどんの中に、「うどんの量選べます」の文字が。

どうやら400gが通常サイズで、500gで+100円、800gで+300円、そして1kgで+400円。逆に300gだと-50円とのこと。もちろん、うどんは1kg、そして味の要となるツユは、温かいものから、店イチオシ、特製旨辛つくね汁うどんに決定。

 うどんのボリュームは、茹で上がりの際の目安。1kg以上の注文も可能で、さらに1kgプラスするなら+600円。汁は特製旨辛つくね汁うどんの他にも、定番の肉汁うどんやきのこ汁うどん、カレー南蛮なども選べます。

暑い日にはシンプルに、もりうどんも良さそう。

 そして、メニューを見て驚いたのが追加トッピングの種類の多さ。生姜や刻み海苔、生卵、揚げ玉あたりはなんか分かる。しかし、チーズ、もち、鱈ってええ~っ!? その数21種類。メニューによって込みうどん限定のトッピングもありますが、これだけあれば、新しいうどんの楽しみ方が見つかるかも。これ全部入れたら、、、贅沢すぎてすごいことになりそうです。

約1.5kg! 所沢『本格手打ち かんたろう』で巨大すぎるメガ盛りうどんを食べてきた

 カウンターに座ってぼーっと作業風景を見ていると、うどんを茹でるのは、昔ながらのお釜。そこに手打ちうどんをさっと入れ、待つこと数分。茹で上がったうどんを水にさらして器に盛ります。

 結構太いうどんの割には、茹で時間が短いような。打ちたてのうどんだと、時間がかかんないのかな~、なんてぼんやり考えているうちに、卓上にうどんと特製旨辛つくね汁、薬味が登場! 早速計測です。

 うどんは直径23cmの皿に高さ5cm。

重さは996g(器の重さを除く)。手打ちうどんだもの、誤差4gは想定内。そしてつゆは直径14cmの丼に高さ8.5cm、重さは450g(器の重さを除く)。つまり、おつゆまで完食すると、ほぼ1.5kgのボリュームです。

約1.5kg! 所沢『本格手打ち かんたろう』で巨大すぎるメガ盛りうどんを食べてきた

 早速一口。うどんを汁につけてガッとすすると、うぉっ! コシがすごい。

そして長さがあるから口の中いっぱいうどん。さらに、噛んでもかんでも飲み込めない。ずーっと口の中でワシワシしています。というかグワッシグワッシ? とにかくすごい状態。決して茹で足りないわけじゃない。中までしっかり火が通っているのに、衝撃の弾力。
ななな、なにこれっ!!

「この辺では一番固いうどん、しかも太さもなるべく太く。自分の父親が固いうどんが好きだったので、この固さに作っているんですよ」とニッコリ微笑む店主の二上友宏さん。この衝撃に近い固さゆえ、一部のお客さんからは”中毒性がある”と評判に。そのため、遠方からやってくる人や、期間を空けずに通ってくる人も多いとのこと。

「うどんはもちろん自家製麺。粉と水と塩で練って、1日寝かせて、それから打って茹でていますね」。そして汁の出汁はカツオ、ソウダ(ガツオ)、サバ節など複数の節からとり、最低でも1ヶ月寝かせた「かえし」と合わせたもの。深み、まろやかさを感じる味に仕上がっています。

約1.5kg! 所沢『本格手打ち かんたろう』で巨大すぎるメガ盛りうどんを食べてきた

 一口目であまりにも口の中がうどんでいっぱいになって咀嚼が大変だったので、二口目からは1本ずつ口の中に入れることに。もちろん口の中に余裕はできるけれど、弾力は変わらずすごい。親や先生に言われた「1口入れたら20回は噛みなさい~」って言葉が自然と頭の中に蘇ってきます。いや、20回噛んで1本攻略できるか、ってくらいのうどんの弾力。こめかみあたりのアゴの蝶番(ちょうつがい)がすんごい動いています。

 このうどん、早食いしたくてもできない。太くって弾力半端ないから、ズズッとすすってさっと飲み込んで、みたいな食べ方は無理! ずーっと口の中でモクモクモクモク。自然と無言になっていきます。

「お客様で5kg食べた大喰いの方が『まだお腹は余裕があるのに、中々食べきれない』っておっしゃっていましたね~」とにっこり微笑む店主。このうどん、胃袋の容量ではなく、アゴの限界が試されるうどんです。1本につき20~30回咀嚼したとして、1kg食べきるのに何回モグモグすればいいんだ? うどんも汁もすっごく美味しい、ずっとモチモチ&プリプリ、胃袋もまだ余裕で、もっともっと食べたい。しかし、こめかみあたりの蝶番がどんどんギシギシ言い出します。アゴ、最後まで持つかっ? 頑張れ蝶番っ!

約1.5kg! 所沢『本格手打ち かんたろう』で巨大すぎるメガ盛りうどんを食べてきた

 何本かうどんを食べ続けるものの、ちっともスピードが出ない~。そして、1kgのうどんの山が、完食まで1kg以上かかるような、遠い道のりに思えてくる。「でも、噛み続けると、ストレス解消になるって人もいるんですよ。アゴが鍛えられるし、いいことづくめかもしれないですね」と店主。そそ、そうなんですかっ! 確かに食事なのに、アゴを鍛えにきたと言ってもおかしくない。うどんと真剣勝負、ガチ稽古感が半端ない。

「もし柔らかめのうどんがご希望の場合、熱盛りにもできるので、注文時に言ってください」とのことなので、アゴの力に自信がない人は、前もって柔らかめで注文するのをお勧めします。また、汁うどんの他に、煮込みうどんも人気メニュー。有田焼の土鍋でグツグツ煮えたままやってくるので、もしかしたら煮込んだ分うどんが食べやすくなっているかも? でも一般的な煮込みうどんより、きっと弾力がどえらい事になっていると思います。

約1.5kg! 所沢『本格手打ち かんたろう』で巨大すぎるメガ盛りうどんを食べてきた

 ちなみに同席した所沢育ちのカメラマンは、「そうそう、この固さっ!」と言いながらうどんの美味しさに大喜び。さすが地元ローカルフード。地元民にはこのワシワシを超えるグワッシグワッシでブリッブリな弾力がたまらないようです。

 所沢市内、いや、埼玉県内に数多ある武蔵野うどんの店でも、好みの固さを見つけるのは大変なようで、どストライクな弾力の武蔵野うどんに出会ってしまったら、そこにしか行かなくなる、とのこと。だからここは、リピーターが遠くからもやってくるんですね。しかも所沢育ちカメラマン、アゴがすでに鍛え抜かれているのか? 軽快なスピードで食べていきます。なぜその速さで飲み込める? すすれる? およそ2倍の速さで完食していました。すごいぞ所沢育ち。

 おそらくですが、福岡民とか伊勢民とか、コシのないうどんがデフォな地域の人にしたら、別の食べ物に感じるかもしれないほど、弾力がすごくて戦っている気分になれる、かんたろうのうどん。逆に、うどんはコシ命! 弾力がもっと欲しい! と思っている人にはどハマりするであろう衝撃のうどんです。

 ちなみに、暑くなってきたら期間限定でぶっかけうどんを出す予定とのこと。となれば、夏までにアゴを鍛えて再チャレンジに来ねば! 次回はぶっかけにして、バラエティ豊富なトッピングにも挑戦しに来ます!

(撮影◎小嶋裕 取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

約1.5kg! 所沢『本格手打ち かんたろう』で巨大すぎるメガ盛りうどんを食べてきた

店名:本格手打ち かんたろう

住:埼玉県所沢市東所沢和田1-44-1
TEL:04-2907-1397
営:11:00~15:00、17:00~21:00(L.O.各30分前)
休:月曜(祝日の場合翌平日休み)
※新型コロナの影響により営業日・時間が不安定になっています。来店される際は事前に店にご確認ください