一橋大学や東京女子体育大学のある東京都国立市。学生が喜ぶデカ盛りの店もいくつかあります。
「びっくり丼」のルールとして、1人1個注文、残すと罰金(持ち帰る不可)、写真を撮る際はひと声かけてから。そして、シャリの量は大盛り(4合)、普通(2合)、少なめ(1.5合、半分1合、1/3、1/4、1/5)があり、これらのネタの量は1合(約330~350g)ほど。大盛りの場合は4合のシャリにネタが2合ほどになります。
ゴハン1合を大体330~350gと考えると、2合で700g弱、4合で1.3~1.4kgに。トータル6合ということはおそらく2kg前後という計算になります。

今回は「普通(2合)」を注文。普通でもシャリ2合にネタ1合。おそらく1kgちょい超えぐらい? 「『びっくり丼』は、海鮮と手作りの野菜料理を混ぜたものなんだよ」と大将。最初は海鮮だけだったのですが、学生さんからのリクエストで、おかみさんの手料理も入れて欲しいと言われ、合わせて盛り付けるようになったそうです。
そもそも、「びっくり丼」が生まれたきっかけは?「12年前、一橋の学生さんで新聞部の女の子に頼まれてね、普段から2合をペロッと食べる子だったんだよ」。
26種もネタやおかずが乗った「びっくり丼(普通)」約1.3kg!

注文すると、大将が寿司桶にシャリを敷き詰めたのち、ガラスケースの中にあるネタを取り出してどんどん載せていきます。「今日は玉子、マグロの中落ち、釜揚げしらす、中落ちの佃煮、大根の葉、タクアン、キノコとピーマンの炒め物、カニカマ、青海苔、イワシ、クラゲ、白魚、イカの耳と軟骨、カンパチ、鯛、平目、サーモン、甘エビ、磯つぶ貝、タラコ、イシガキダイ、赤貝のヒモ、コハダ、数の子、イクラは入る時と入らない時があるね」。
オケからはみ出るほどのネタやおかず。イクラがこぼれ落ちそうでこぼれない、ギリギリ? 絶妙なバランスを保って目の前にやってきました!

早速計測。直径26cmの寿司桶で高さ約16cm、重さは1290g(器の重さを除く)。ということは、おそらくシャリ700gのネタ600g弱? 大盤振る舞いすぎる圧倒的なボリュームです。あら汁を入れればおそらく1.5kg。普通を頼んでトータル約1.5kgって。「びっくり丼」の名に恥じない重量感。そしてデカ盛りお約束の質問。これ、どうやって食べればいい?
「一緒に小皿を出すので、取り分けて食べるといいですよ」。

こんなに種類があると、どれから食べれば正解、なんておそらくない。上にあるものからどんどん食べていきます。「うちは川崎の市場に車で行って仕入れているんだよ。『びっくり丼』は仕込むのも大変なんだから。内容は仕入れによって毎日変わるね。冬場はやっぱり冬に旬の魚介類、寒くなると美味しくなるネタが中心になるんだよ」。
約1.3kgの丼を完食するためのコツ、アドバイスを大将に聞くと一言「食える人は食える!」ときっぱり。完食できる人は最初の一口から全然違うそうで、すごい人だとまるで飲み込むようにすっすと食べていくとのこと。トータル6合の大盛りでも20分ぐらいで完食していくそうです。

店主のキレのいいトークを、女将さんがフォローする、明るくてアットホームな雰囲気の『幸寿司』。3人以上は事前予約が必要です。
夜は学生だけではなく、一橋を卒業したOB、OGもフラッと訪れ、カウンターで常連客と世代を超えたトークを楽しんでいるとのこと。おそらく、大将のカラッとした口調と、女将さんの柔らかな雰囲気が、訪れるお客さんを楽しませているんだと思われます。
26種類もあるので、食べ飽きるなんてことは一切なく、そしてシャリだけ残るようなバランスの悪いこともなく、どんどんいけちゃう「びっくり丼」。種類とネタの内容はその日次第、なので、シーズンが変わったらどんな魚介類になるのか、また来るのが楽しみになるデカ盛り丼でした!
(取材・文◎いしざわりかこ)
●SHOP INFO

店名:幸寿司(こうずし)
住:東京都国立市西2-12-44
TEL:042-572-4144
営:11:00~23:00(ランチL.O.~14:00)
休:なし ※「びっくり丼」は正月3が日は休み