今朝はとっても綺麗な青空ですが、今日はその空、大気の中のプラスチックごみ、いわゆるマイクロプラスチックのお話です。

マイクロプラスチックと言えば、思い浮かぶのは、海洋マイクロプラスチックだと思います。

今までは、陸で捨てられたプラスチックごみが、雨が降って川に行って、海に流れて行って、少しずつ小さくなって、で、一部は例えば海の生物、魚が間違って食べてしまったり、海の底に沈んでいくと言われていました、よね?

プラスチックごみの終着点は海洋、ではなかった!

ところがそれが違っていたのです。大気中マイクロプラスチックの計測・調査研究をしている、早稲田大学環境資源工学科の大河内博教授にお話を伺いました。

早稲田大学創造理工学部環境資源工学科 大河内博教授

「フランスの研究者のグループが、いや、それだけじゃないですよ、と。小っちゃくなったやつが波しぶきと同じように空気中に巻き上がって、で陸の方にも運ばれていってるんですよ、ということが、今報告されてきまして、だからつまり、今まで海洋がプラスチックごみの終着点って言われてたんですけど、そうじゃなくて空気も通じで地球表層をぐるぐるぐるぐる回ってるんじゃないか、っていうことが今分かってきてます。

海洋にあるものが小っちゃくなると空気中に舞っていくっていう。環境って全部繋がってて、海にあれば当然空気にもあるし、空気にあれば海にもあるし川にもあるし土にもあるっていうことで、やっぱ全部繋がってるんですよね。

ただ、海と違うのは海洋マイクロプラスチックだと人間の目に見えるサイズを、今まで測っていて、そういうものがいっぱいあるから、こりゃ大変だって思うんですけど、空気の場合だと人間の目に見えないんですね。だからそこにあるってことが分からないっていう、そこがまた怖いところですね。」

空気中に、プラスチックの細かいのが舞ってる??本当にビックリしました。

2015年にフランスの研究チームが空気中のマイクロプラスチックを確認しました。海でどんどん小さくなって、波しぶきのように空気中に巻き上がって、空気中に浮遊するんです。

海洋じゃない?大気中マイクロプラスチックを知ってますか?の画像はこちら >>
<プラごみの終着点は海洋ではない!ぐるぐる回っているんです! 資料提供:大河内先生>

大河内先生は、現在、環境省から研究費をもらって、国内17か所と東南アジアなどで、空気中のマイクロプラスチック濃度を調べていますが、ちなみに、お話を聞きに行った早稲田大学の西早稲田キャンパスは新宿区にありますが、18階建てのビルの屋上や、学校脇の明治通り沿道でも、先生たちは計測していて、そこでもマイクロプラスチックは観測されているんです。

海洋じゃない?大気中マイクロプラスチックを知ってますか?

健康影響に加え、気候変動や災害など地球環境にも影響が・・・

目に見えないほど小さなプラスチックが空気の中に・・・当然いいことがあるわけがありません。再び、大河内先生のお話です。

早稲田大学創造理工学部環境資源工学科 大河内博教授

「空気中に舞っている、それは吸い込んじゃうと肺の奥まで行っちゃうんですね。

で、基本的に肺の奥に行っちゃうと、人間は排出するメカニズムというか機構が無いんですね。例えば食べたりとか飲んだりだと、尿とか便で排出出来るんですけど、吸い込んじゃうと排出できないっていう、そういう問題があります。

で、それだけじゃなくて、そういったマイクロプラスチックが雲を作る核になるんじゃないかっていうことも言われていて、例えばゲリラ豪雨とかありますよね。ああいうのって積乱雲が発達するんですけど、そういう核になっていてゲリラ豪雨をたくさん降らせてるんじゃないかっていう風なことも報告されてきています。一般的には雲を作る核って、波しぶきなんかが結構、核になるんじゃないかと言われてるんですけど、そのマイクロプラスチックの周りに水がくっついて雲になるっていうことですね。

空気中に浮遊してると雲を作って激しい雨を降らせるっていう、だから健康影響だけじゃなくて、地球の気候を変えたりとか、色んな災害を引き起こす可能性もあるっていうようなことも指摘されています。」

健康影響に加えて、地球の環境にも影響がある可能性も、という指摘です。なにしろ確認されてからまだ10年。海洋マイクロプラスチックと比べると、まだまだ全然研究は進んでいない状況だそうで、大気中マイクロプラスチックを集める方法や分析して調べる方法なども、研究者によってバラバラ。

そこで、大河内先生たちは全世界で比較が出来るように、標準になる方法を作る、ということに取り組んでいます。

空気中のマイクロプラスチックを捕まえるソウセイギリ!

ここまでお話を聞いていたらすごく怖いし、なんだか息苦しくなってしまいますよね。ただ、希望の光もありました。もう一つ大河内先生たちが取り組んでいるのは、こちらです。

早稲田大学創造理工学部環境資源工学科 大河内博教授

「計測するだけでは減らないので、どうやって減らせるかということも考えていて、樹木が、かなり空気中のマイクロプラスチックを、葉っぱで捕捉してくれるってことが分かって来たんですね。

今、どういう樹種が空気中に浮遊したマイクロプラスチックを捕捉できるのかというのを調べているところで、今のところ5~6種くらいの樹種、調べてるんですけど、ソウセイギリっていう、すごく成長が早い桐の木があるんですね。

5年で20メートルくらいになっちゃうんですけど、葉っぱが大きくてヒゲがいっぱい付いてるんですけど、それで空気中のマイクロプラスチックを一番捕捉できるってことも分かってきまして、例えば、街路樹とかそういうとこにソウセイギリを植えることによって、空気中に一回飛散しちゃったものが捕捉できるんじゃないかな。

ソウセイギリって広葉樹なんで、葉っぱが下に落ちるんですよね。で、それを回収してあげれば葉っぱにくっ付いたやつを回収できる。で、これを、バイオマス燃料として利用することが出来れば循環系として使えるのかなってことで。そういう形で、樹木を使った空気中マイクロプラスチックの減少、削減、そういったことも今、研究しているところです。」

ソウセイギリ、すごいです!

海洋じゃない?大気中マイクロプラスチックを知ってますか?
<ソウセイギリ、本当に成長が早いです!>
海洋じゃない?大気中マイクロプラスチックを知ってますか?
海洋じゃない?大気中マイクロプラスチックを知ってますか?

このお話を聞いて、本当にほっとしました。葉っぱも大きく成長も早い。頼りになりますよ!

ただし、プラごみ排出量が世界でも多い東南アジアの上空には、やはり多くの大気中マイクロプラスチックがあるそうですから、やっぱり、そもそものプラごみを減らす努力はとっても重要だ、ということ。なので、ソウセイギリだけに頼ってはいけませんが、ヒーローを見つけた気分になりました!

自分の出来ることは何か?行動に移せているのか?年の初めに改めて自分の身の周りから見直してみようと思います!

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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