車で使う「ETC」ですが、それを利用した「ETCX」という新たな決済サービスが始まりました。すでに実証実験を経て、今年4月から本格始動したということですが、まだあまりなじみがないですよね?どういうものなのか?8月18日(水)TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」の「現場にアタック」のコーナーで、竹内紫麻が取材報告しました。
まずはETCXとはなにか?ETCXを提供するETCソリューションズ業務企画部長の斎藤正さんのお話しです。

車に乗ったまま決済できる!

「ETCカードにクレジットカードをご登録いただければ、街中で、駐車場であったりだとか、有料道路であったりだとか、ガソリンスタンド、ドライブスルー、こういったところで、ETCXの加盟店の印があればですね、そこでご利用が可能になるサービスでございます。試行運用という形でいきますと、2017年に静岡と名古屋の商業施設の駐車場になります。必ず駐車料金を支払いするとき、もしくは入場するときは駐車券を取る、もしくは窓を開けて最後退場のときに料金精算をすると、一切それが必要ない。こういうところが最大のメリットかと思います。ぜひですね、いろんなところに広めていただきたいという好意的なご意見が多く寄せられました。」(ETCソリューションズ業務企画部長の斎藤正さん)ETCXのサイトで会員登録して、決済用のクレジットカードを登録すれば利用可能。あとは導入しているドライブスルーなどに行って、車の中から「ETCXで」と言えば、お店の人がレジのタブレットのETCX決済のボタンをピッと押して決済完了。車から出たりしないので限りなく非接触になるし、財布を探したりするわずらわしさもない。関東では、相模原のケンタッキーフライドチキンで試験導入したりしてきましたが、概ね好評ということで、この春本格導入。ETCとの違いは、利用者はETCXの会員登録が必要なこと。一方、お店としては設備投資が必要ですが、ETCのような大型のゲートは不要で、簡略化して、安く導入できるのがメリットだそうです。では実際に導入しているところではどうなのか?今年の4月から、ETCXを導入したという三重県の「ピットストップSUZUKA」を運営するNEXCO中日本・技術事業課の大竹基広さんのお話しです。

ピットイン!降りずに軽食

「商業施設内での3密回避のニーズが高まっていることから、新名神高速道路の鈴鹿パーキングエリア上り線で、ドライブスルー店舗「ピットストップ鈴鹿」を開設し、キャッシュレス非接触決済であるETCXを導入いたしました。お客様からは財布の出し入れがなくて非常に便利であるとの声をいただいております。
いろいろなところから反響をいただいてますが、だいたいあのETCXという高速道路以外でもETCで決済ができるということに興味を持たれて、遠方からわざわざお越しになったという方もいらっしゃいました。」(NEXCO中日本・技術事業課の大竹基広さん)「ピットストップSUZUKA」は、鈴鹿パーキングエリアの駐車場に直結する高速道路初のドライブスルー形式の店舗で、「鈴鹿タイヤ焼き」(大判焼き)や焼きそばなどといった軽食などを販売。車から降りずにピットインする感覚で軽食を購入出来るといったコンセプトの店舗です。こちらは、8月中の期間限定オープンということなので、面白がって利用しに来る方も。このETCXはまだ始めたばかりで導入しているところは少なく、飲食店舗などは現在ここが唯一の導入店なので、物珍しさもあるようです。一方で、有料道路の支払いにも、少しですが導入が進んでいて、静岡県の伊豆中央道、それと修善寺道路などの支払いに導入されています。パーキングエリアの場合、トイレに行ったりして、車から降りることもありますが、一方で、ガソリンスタンドやETCに対応していない有料道路の支払いなどは、車から降りずにできるようになれば便利。今後広がりを見せれば便利な世の中になりそうですが、一つ注意点・課題点があるとのこと。NEXCO中日本、大竹さんのお話しです。

一旦停止が必要!

「一旦停止が必要という大きな特徴があるんですよ。ETC多目的利用サービスというサービス自体の特徴としてですね、ノンストップというあの高速道路の利便性の部分をなくして、安価にサービスを提供するというのが大きな特徴になっております。従って一旦停止というのはどうしても必要になってまいりますので、ご利用される皆様については、必ず一旦停止をしていただくようにお願いしたいと思っております。例えば高速道路でもあのバーにぶつかってしまう車っていうのがあると思うんですけれども、今あの静岡県の道路でもETCXを採用サービス開始させていただいてますので、通り過ぎてしまうような車があると聞いておりますもんですから。
ETCXについては一旦停止をお願いしたいというふうに思っております。」(NEXCO中日本・技術事業課の大竹基広さん)ドライブスルーでは2~3秒。有料道路では車種の判別もあり3~5秒とまる必要。これはETCのような大型のゲートがいらない、簡略化したシステムで安く導入できるようにすることで、民間に普及させるという狙いのためで、一旦停止は注意してくださいということでした。なれれば大丈夫?広がれば便利になるかもしれませんね。
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