TBSラジオ「コシノジュンコ MASACA」毎週日曜日夕方5時から放送中!
2020年6月28日(日)放送
久本雅美さん(part 1)
大阪市平野区出身。短大卒業後に上京し、劇団東京ボードヴィルショーに入団。
JK:今日は賑やかですよー!
久本:まだしゃべってないのに(^^;)でも、こうしてじっくりお話しするのは初めてですね。
JK:初めて会ったのは多分、萬田久子さんのご主人が亡くなった後の屋形船よね。
久本:そうですね。みんなで賑やかに弔いましょうって。でも世界のコシノジュンコですから、「一杯飲みましょう」なんて言えませんので、遠くからウワーすごいなーって見てましたけど。
JK:だけど一瞬、チャーミングだな、おしゃれな人だなあって印象を受けました。萬田さんもおしゃれだから、おしゃれ友達なのかなあって。
久本:萬田さんとは同じ大阪出身で、ちょこちょこ一緒にご飯を食べたりしてたので。萬田さんもそうですけど、先生も交遊が広いですよね。高田賢三さんのパーティでもお見掛けしましたし。
JK:なんで賢三さん知ってるの?
久本:私のスタイリストさんが昔から賢三さんとすごい仲がいいんです。
JK:髪形がすごいのよね。ファッションもすごいけど、いつもトータルでモードやってますよね。挑戦的ですよね。それに顔がちっちゃいから、何着ても似合うのよね。
久本:ありがとうございます! ちょっと気分がいいから、もう2~3時間この話しましょう(^^)
出水:久本さんといえばワハハ本舗ですが、今年5月に3年ぶりの公演が予定されていたんですがこのご時世で中止になってしまったんですよね。
JK:残念ですよね。前回のをビデオで見せていただいたんですけど・・・よくやるなあと思って!
久本:うちら、よくやるんですよ! 先生も初めて見られて衝撃的だったと思いますけど、笑いを取るためだったらなんでもする。お客さんを巻き込んだり、下ネタを盛り込んだり、いじりあったり。
出水:ワハハ本舗も創立からのメンバーですから、もう36年になるんですね。
久本:あっという間ですね! 私と柴田理恵さんを含め5人で始めて、いま芸人さんも含めたら劇団員が50人ぐらい。でも今回は初めて日本の伝統芸能を本舗風にアレンジして、よーし3年ぶりにやるぞ!と思っていましたから・・・「延期」という形で、来年を目指しています。
JK:花魁になるつもりだったんですか?
久本:そう、花魁の格好をしてポスターを撮ったんですよ。これがまぁ~歌舞伎の人が来てくれて、メイクしてくれて、花魁の衣装を着せてくれて・・・綺麗にしすぎたもんだから、私も柴田さんも気づかれなくて「えっ、今回久本さんと柴田さんは出てないんですか?」って(笑) 本格的にやりすぎちゃった。でもファッションとして、歌舞伎って柄とか色とか組み合わせが超おもしろくないですか?
JK:私の花魁ってのがあるのよ。去年までパリで「ジャポニズム」っていう展覧会があって、自分なりのファッションの花魁をやって、ギメミュージアムに寄付したんです。でも歌舞伎ってすごいですよね、頭だけで何十キロ、衣装だけで何十キロ。あれは女性は無理だと思う。
久本:だからか! うちの劇団はすごいですよ、鬘とか全部段ボールで作りますから! これがまた上手いのよ!
出水:ええ~!
久本:劇団なんてお金ないですから! ガッツリした衣装はプロの方にしっかり作っていただくんですけど、ちょっとした笑いの場面で使うんだったら、段ボール集め日っていうのを1日作って、近所を回って段ボールを集めたりしながら鬘作ったり、帯もお太鼓作ったり。
JK:全部段ボール?! じゃあ軽いわね。
久本:段ボールで! でも着物の布を張り付けると、遠目からはまぁ分からないです。ゴージャス! すごい綺麗ですよ! コストも安いですし。派手に自分たちの好きなように飾って。あとは100円ショップでいろいろあるじゃないですか、花とかボンボリとか。
JK:でもお笑いの基本って、まともじゃ面白くないじゃないですか。ある意味クリエイティブでないと面白くないと思うのよね。歌舞伎のを持ってきてもしょうがないもの。
久本:そうです、そうです。そのままやっても本物には勝てないですからね。

JK:劇団が最初に始まったころは、稽古場が青山だったんですって?
久本:今もそうです。最初に5人で劇団作ろうって言ったときに、うちの社長であり演出家である喰始っていう天才放送作家が「いろんな劇団があるけど、稽古場を持ってないところが多い。うちは持とう! 貧乏は染みついちゃいけないんだ!」って。私が中野区を見て、誰かが江東区を見て、やれ杉並だ世田谷だっていろんなところを見て、それで、青山担当の子が見つけてきたんです。
JK:青山のどの辺?
久本:青学の近くです! いいところでしょ? びっくりするでしょ? ただ、あの辺にすごい庶民的な一角があるんです。うちの喰始が青山にしようと言ったんですが、「どこに劇団を持ってるんですか?」って聞かれて、青山って言ったときに「たいしたもんね」って言われることが大事だと。
JK:先端行ってる(^^)最近あの辺でライブ見に行ったわ。ずいぶん変わったわね。
久本:そうなんですよ、おいしいイタリアンとかも増えてきて、おしゃれになって。そんな中、前進ジャージで首にタオル巻いてる人間がいたら、ワハハ本舗です(^^)
出水:久本さんもお忙しい中、舞台を本当に大事にしてらっしゃいますよね。
久本:根本ですね。私こうやってTVのお仕事をさせていただいてますけど、舞台を休んだことはないですね。必ず1年に最低1本。たいてい2~3本はやってますね。
JK:なにしろ健康で休まないでやることが、実力なんです。実力ってそれですよ! 肝心な時に休んだら実力も何もないですよ。
久本:これ、きょう勉強になったわ~! やり続けることで、その人の力になっていくってことですね。
JK:徹子さんがそうじゃないですか。1日3本ぐらい撮るんですって。
久本:徹子さん! 憧れます~! 頭の回転も速いし。いつか「雅美の部屋」にならないかなって狙ってるんですけどね(^^)
JK:自分で作ったらいいじゃない、青山に(笑)でもやっぱり若さって元気ってことよね。年齢じゃなく。
久本:仕事をやり続けることが自分のモチベーションだし、元気の源であるっていうのが大事ですよね。張り合いも出ますし、努力もしますから。
JK:ビジョンも成長するのよ。今から30年前にこうなりたいっていうのと今では違うじゃないですか。どんどん変化していく。決めなくてもいいのよ。
久本:そうなんですよ~。私も含め、残念ながらいろんなものがになっている方が多くて。
JK:それでも何をやれるか、ってことを考えないとね。ある人が言ってたんだけど、いまは静かに想像してたくましくする時だって。
久本:あっいいですね! 自分がどうなりたいか、自分がどうしたいか、自分の中で考えていく。
出水:36年の中でも、こういう時期があるのは久本さんにとっても初めてですよね。
久本:皆さんにとってそうだと思いますよ。本当にうちの劇団もこんなの初めてなので、若手はかわいそうなんですけど。これからのことしか考えちゃいけないってことですよね! ファンクラブ発信のためにも、自分たちがどういう役をやりたいか考えなくちゃいけなくて。そういうのは楽しいですね。助六の恰好をしながら、どういう助六なのか。
JK:宙返りとかやってください!
久本:宙返りとかやりたいですけど・・・いっぱいいっぱいですね~!! だけど皆さんが喜んでいただくためならなんだってやりたいです。
JK:宙づりならいけるんじゃない?
久本:そうですねぇ宙づりななら・・・でも私みたいな歳だと、スルメが飛んでるように見えるんじゃないですかね(^^;)

=OA楽曲=
M1. 桜坂 / 福山雅治
◆6月28日放送分より 番組名:「コシノジュンコ MASACA」
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