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オミクロン株の感染急拡大で、PCRや抗原検査の検査キットが足りない!ということがニュースになっています。そんな中、新たな検査キットになるのでは、と注目を浴びているものがありました。

それは、マスクにスマホなどの光を当てると、コロナウイルスが付いているかどうか「見える」技術。自分の息などからウイルスが出ているかどうか、要するに感染しているかどうか、判別する方法ということで、市販へ向けて、商品化を急ピッチで進めているそうです。

2022年1月24日(月)のテーマはこちら。

『光るマスクで、新型コロナを判別!?』

ダチョウの抗体を使って、光るマスク!

光って判別するマスク?いったい、どういうものなのか?開発した、京都府立大学・学長の、塚本康浩先生にお話を伺いました。

●「これ、実はダチョウの抗体というのを使っておりまして、新型コロナウイルスを捕まえる、そういう抗体なんですね。で、これが、マスクのフィルターに染み込ませてあります。このマスクをしばらくつけて頂いて、で、今度マスクを外して、同じようなダチョウの抗体、これに蛍光色素をラベリングしてまして、それを吹きかけて、で、あとはブルーライトとか、スマートフォンのライトを当てると、コロナウイルスがいると光る、というそういうもんなんですね。誰でも簡単に、肉眼で自分がコロナにかかっているかどうかが、分かりますので、PCR受けに行くですとか、集団の中に入って行くのをやめる、と、いうような、そういうことがすぐに判断できますので。みなさんもう、毎日のようにマスクされてますので、このマスクを使わない手はないかな、という、はい。」

ダチョウの抗体を使っているんです。「抗体」というのは、特定のものだけを捕まえる、という働きがあり、それを応用したもの。コロナウイルスを捕まえるダチョウの抗体を、浸透させることができる特殊なフィルターを開発。これを、マスクの口側に貼り付けて使う。

光るマスクで、新型コロナを判別!?の画像はこちら >>

マスクは、一日分の人の体から出てくる、咳や鼻水、唾液などをキャッチするもの。

つまり、体の中からのウイルスが集まって来る場所。そこに、コロナウイルスがあれば、それを抗体で捕まえる、ということなのです。そして判別用に蛍光色素に染めた同じ抗体を吹きかけると、コロナウイルスがあれば光って、目で見て分かる、という仕組み。

光るマスクで、新型コロナを判別!?

(こんな風に光って、見えます!)これなら、確かに分かりやすい!

ダチョウは、良い抗体を大量に早く、作れる!

しかし、これはほかの動物ではなく、「ダチョウの」抗体を使うのはなぜなのか?再び、塚本先生のお話です。

●「ま、ダチョウって非常に原始的な鳥類になるんですけれども、【変わった、しかも強い抗体】を【大量に】作る、というのが、ダチョウさんの特徴なんですね。ダチョウさんにコロナウイルスのスパイクタンパクという部分、ワクチンとかに使われているスパイクタンパクをダチョウのカラダにちょこっと入れてあげますと、そのスパイクタンパクに引っ付いて、無くしてしまうような、そういう抗体が大量に作られるんですね。で、さらに、ダチョウさんの優れてるところが、バカでかい、地球上で一番デカいタマゴを産んでくれますので、抗体が出来て、それが大量に濃縮されて、ダチョウのタマゴの中に移動して、タマゴから抗体が取れる、ということで。実は、ものすごく安く抗体を作れる、というそういう利点がございます。商品ベースで考えても使える、というそういう利点があります。」

塚本先生がダチョウを飼い始めておよそ25年。その長い観察の中で、結構ケガもするけどすぐ回復するな~。感染症にも強いな~。ものすごい長生きだな~。このダチョウの強さとはなんぞや??と研究した結果が、非常に高い免疫力。

そして、【免疫力の高さ】とは、【良い抗体を大量に早く作れる】ということ。この特徴を生かしたのが今回の開発。

しかも、出来た大量の抗体はタマゴに移動するので、タマゴから抽出すればよい。その上、タマゴのあの大きさ!!!

安く質の高い抗体を手に入れられるのが、ダチョウということなのです。ダチョウってすごいんですね!

(塚本先生とダチョウさん!ダチョウさんは、10年毎日顔を合わせているのに、いっこうに先生のことを覚えてくれないそうで、「ちょっと悲しいですよね、一方通行の愛ですからね、僕からしたら。」とおっしゃっていました。)

光るマスクで、新型コロナを判別!?

自分の使ったマスクが光ってしまった!

塚本先生たちは、今まで出てきた、ベータ株、デルタ株、そしてオミクロン株と、新しく変異株が出るたびに、絶えずチェックして、反応するか見続けていますが、今のところ、すべての変異株に対して反応がある、ということです。

実は、塚本先生は、この開発の途中、「これはいける」と確信を持った出来事があったそうなのですが、それは、こんな出来事でした。

●「ずっとこれを開発しててですね、開発してる自分のマスクっていうのは、やっぱり自分で使いたくなるじゃないですか。で、ちょっとしばらくつけてて、光当てたら、光りおったんですね、自分で着けてたマスクが。で、これはいかんぞ、ということで、PCR受けに行ったら、やっぱり陽性やった、ということで、はい、自分で、使ったマスクで、光ってしまったというのが、実は感染者の一番初めの例が僕やったんですね。まあビックリしましたけども、逆に確信が持てたという。マスクが先に光って、その後で、PCRでしたんで、より正確に、マスクだけでもきちっと分かってたな、という、そんな感じですね。」

ご自身の発症中のマスクは光り続け、回復後7日目のものは光らなかったそうで、「自分の感染経験で実証できた、専門家としては皮肉ながら嬉しい結果だった」と。

今後は、手軽な検査キットとして2月にマスクに貼り付けるフィルターを、そして夏以降にマスクそのものを発売する予定で、厚労省の「医療用の診断キット」としての承認も目指しています。

ちなみに、すでに海外からは問い合わせが殺到し、共同研究の申し出も来ているそうです。

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