TBSラジオ『ジェーン・スー生活は踊る』月~木曜日の11時から放送中!
今日、2月2日(水)の「スーさん、これいいよ!」は、生活は踊る”月1レギュラー”、医療ジャーナリストで医師の森田豊さん!新型コロナウィルスの「オミクロン株」について教えていただきました。
「オミクロン株の特徴」
従来の新型コロナウィルス感染症でみられる症状は、「発熱」「咳」「息苦しさ」「筋肉痛」また、「味覚や嗅覚の異常」というものが特徴的です。ただし、オミクロン株に感染した18万人の臨床症状に関する研究結果をイギリスがまとめた報告によると、従来の新型コロナウィルスと比較すると、オミクロン株では「喉の痛み」を訴える人が多く、「味覚や嗅覚の異常」を訴える人が少ない状況です。
→喉の痛みの頻度はデルタ株だと34%、オミクロン株だと53%と増えていますが、味覚や嗅覚の異常はデルタ株34%、オミクロン株だと13%と減少しています。
オミクロン株による症状は、比較的短い期間で治ることが多いのも特徴。従来の新型コロナウィルスでは、感染してから発症するまでの潜伏期間はおよそ5日ですが、オミクロン株では、およそ3日と短くなっていて、これが次々と感染者を多くしている背景の一つとも考えられています。
感染力が強いということがオミクロン株最大の特徴。オミクロン株の濃厚接触者が、感染者になってしまう頻度は、これまでのデルタ株より2.63倍も高いことがわかってきました。
オミクロン株の感染者が家族にいて、同居している家族が感染してしまう確率は、13.6%と報告されていて、デルタ株よりも高い状況です。
「感染しても症状が出ない「無症候性感染者」について」
感染しても症状が出ない人のことを「無症候性感染者」と呼んでいますが、従来の新型コロナウィルスでは、子供のおよそ半数、成人の3分の1、高齢者の5人に1人が、感染しても症状が出ない「無症候性感染者」と報告されています。
オミクロン株に感染していて症状が出ない人の割合は報告によって様々で、数パーセントから、最大で27%という報告です。(症状のない人にどれくらい検査をしているかによっても、値が異なるんでしょうね。)
「なぜオミクロン株は感染しやすい?」
鼻・喉などの上気道でウイルスが増えやすいので、そこからウィルスが唾液のしぶきとともに飛びやすいことが、一つの原因と考えられています。従来のものは、気道の下の方、肺などで炎症を生じやすかったんです。そんな違いもあり、オミクロン株は肺炎や、重症化する確率は低いと考えられています。ただし、そこが問題。重症化する確率が低くても、感染者が爆発的に増えれば、重症者の数は多くなり、医療はひっ迫します。
「ワクチンについて」
2回目のワクチン接種後、半年経つと、オミクロン株の発症予防効果はおよそ8%と、ほとんどなくなると言っても過言ではありません。ただし、重症化予防や死亡抑制効果は、35%~50%とかなり保たれています。
3回目の接種をすることで、発症予防効果は50%~80%に上がり、重症化や死亡予防効果は、90%に上がります。ですので、日本や諸外国でも、3回目の接種を急いでいるということなんです。
「濃厚接触者の定義について」
▼1m以内でマスクなしで15分以上会話をした人、そして、感染者と同居している家族などですが、濃厚接触者の認定は、保健所の聞き取り調査によってなされる場合が多いです。
感染者が自宅で療養する際に、家族内感染を避けるために気を付けるポイント
1:できるだけ感染者と同居者の部屋を分けること
2:感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方にすること(持病がない方、2回ワクチンを売っている方など)
3:感染者・同居者はお互いにマスクをつけてください
4:感染者・同居人は、こまめに手を洗ってください
5:日中はできるだけ換気をしましょう
6:手のよく触れる共有部分を、掃除・消毒しましょう
7:汚れたリネン、衣服を選択しましょう
8:ゴミは密閉して捨てましょう
「自宅療養中の危険な症状」
安静時には苦しくなくても、階段の上り下り、歩いたりすると、普段とは違う息苦しさがあるなどの症状は、肺炎になっている可能性があります。
横たわっていると苦しくなる、椅子に座ると楽になる というのも危険です。これは、座ると肺が膨らみ、楽になるため。
安静時の一分間の呼吸数が20回以上のときも、肺炎になっている可能性があります。
(ここでの「呼吸」は吸って、吐いて で一回とカウントします)
状況にもよりますが、かかりつけ医や、救急隊に連絡することが重要です。