TBSラジオで平日15時30分から放送中の「ACTION」。水曜パーソナリティは、Creepy NutsのDJ松永さん。
9月2日(水)のゲストは、元JR東日本の車掌さんの関大地さん。今年、『乗務員室から見たJR』というご本を出された関さんから、知られざるJRや鉄道のお話をDJ松永さんが伺いました。
松永:鉄道の専門の高校もあると聞きましたが、特別な勉強はされたんですか?
関:僕は特にしていないですね。僕は群馬県の土木科があった高校を出ていまして、測量関係の勉強をしていました。地元の友達は国土交通省さんやNEXCOさんに就職していきました。
松永:皆さん、ご立派で…!
関:それで測量を学んでいたので、力が発揮できるのではということで保線の部署に入りました。
松永:JRの新人さんの研修はどう行われるんですか?
関:僕が入社した2002年のときは、一つの大きい研修センターに東日本中の新入社員が入りました。
松永:何人ぐらいですか?
関:1400人ぐらいですね。
松永:うわっ!マンモス校じゃないですか!

関:僕も不安でしたね。皆リクルートスーツをビシっと着て、ガチガチになって整列したことを覚えていますね。
松永:そこで研修はなにをするんですか?
関:鉄道に関する具体的な知識の叩き込みですね。たとえば、僕は保線出身なので、「レールとは?」とか「線路とは?」とかなんですね。
松永:運転手ではなく保線に入ったのはなぜですか?
関:土木出身というのが大きいですね。学生のころに測量とか図面を書くみたいな技術は習得していたので、そこを買われたのかと思いますね。
松永:保線の具体的な仕事を教えてください。
関:保線ってめちゃくちゃシビアな仕事なんですよ。たとえば新幹線に乗っていても、「揺れたな」って感じないですよね。その揺れなさとか、快適に乗っていただくことが保線の仕事です。
松永:じゃあ保線が仕事を怠ると、あんなにスムーズに走らないんですか?

関:揺れたり、最悪の場合は脱線事故につながりますね。新幹線の場合は、40mの糸を張って、その中で何mm狂っているかを計る作業なんですよ。
松永:えっ?
関:今、「何mm」と申し上げましたが、「0.0何mm」の世界で計っています。
松永:それが少しずれただけでも揺れが発生するんですか?
関:もちろんそうです。
松永:そんなの途方もないですよね。レールの全部をきれいに緻密に合わせているんですもんね。
関:そうなんですよ、全部合わせています。
松永:季節によってレールが伸びたり縮んだりするんですよね。だから少しずつ隙間が空いていると。
関:そうなんですよ。「継ぎ目」と呼ばれます。
松永:あれも保線の人が管理されているんですか?
関:そうです。田舎で電車が「ガタンゴトン」ってよく鳴っていますが、首都圏だと実は聞いたことないですよね?
松永:確かに!あれはどうしているんですか?

関:ロングレールといって、全部線路をつなげているんですよ。乗り心地向上のために。あと音が鳴ると、近隣の人の騒音問題が起っちゃうんですよね。だからその対策のために、ロングレールを使って、継ぎ目は作っていません。
松永:たとえば長い時間をかけて、地方での全てロングレールになる可能性はあるんですか?
関:たとえば田舎で雪が多く降る場所だと、隙間があることによって線路が伸びたり縮んだり調整できたので、その点でいうとロングレールになる可能性は低いですね。
松永:線路って割れたりもするんですね。不思議ですよね。あんな鉄が季節によって伸び縮みするって信じられないですよね。
関:たまにホームで待ってると、「ガコンッ!」って鳴ったりしませんか?あれってレールが伸びている音なんです。
松永・幸坂:えぇ~!!
幸坂:結構大きい音ですよね!
松永:ゆっくり伸びるんじゃなくて、急に伸びるんですか?
関:そうなんです。軸力というのが溜まっていて、ある程度のところを超えると弾けるように伸びるんです。
松永:そうやって伸びるんだ!知らなかった…。
引き続き、JRや鉄道についてのお話を伺いました。
◆9月2日放送分より 番組名:「ACTION」
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