TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』月~木曜日の11時から放送中!(3月23日(水)放送分)

あと1週間余りで4月

4月になるといろいろと変わる事がありますが、そのなかで4月1日大きく変わるのが成年=成人の年齢。これまで20歳でしたが、これが18歳に引き下げられます。

世界の国々を見ても、イギリス、フランス、ドイツ、カナダなど18歳以上を成人とする国の方がむしろ多数派!実に140年ぶりの見直し、ということなんですが、何がどう変わるのか?また変わらないこともあるということなので、今日3月23日(水)の「生活情報」は、それをまとめました!

そもそも、なぜ見直されたのか?

近年、公職選挙法の選挙権年齢や憲法改正国民投票の投票権年齢を18歳と定めるなど、18歳、19歳の若者にも国の政策の重要な判断(選挙など)に参加してもらうための取り組みが進められてきました。こうした中で、市民生活に関する基本法である民法でも、18歳以上を大人として扱うのが適当ではないかという議論が行われて、成年年齢が18歳に引き下げられることになりました。

成人の年齢が18歳になる、ということは大きな枠で言うと2つの点で変わります。

①18歳以上になれば、1人で有効な契約が出来るようになる

②18歳以上になれば、親権には服さない(親権には従わない)

成人の年齢が18歳に引き下げ!何が変わるのか?【まとめ】の画像はこちら >>

①「1人で有効な契約が出来るようになる」

民法上、未婚の未成年者は1人で契約できません。未婚の未成年者が、保護者の同意なく、自分の名前で1人で契約しても、原則として、後から保護者がその契約を取消しできます。契約が1人でできるようになる、ということで、いろいろできることになります。

例えば・・・・
・スマホの契約
・賃貸の部屋の契約
・クレジットカードの契約
・高額な商品を購入したときのローン契約など

成人の年齢が18歳に引き下げ!何が変わるのか?【まとめ】

②「親権には服さない=親権には従わなくてよくなる」

そもそも親権とは、未成年者を一人前に育てるために、親が子どもを監護・養育したり、子どもの財産を管理したりすることです。この親権にとらわれないことになることで出来ることが出てきます。

例えば・・・・
・自分の住む場所を自分で決められる
・進学や就職などの進路を自分で決められる
・自分の財産を自分で管理できる

成人の年齢が18歳に引き下げ!何が変わるのか?【まとめ】

このほか、これまで20歳以上に認められてきたものが18歳以上でも認められるようになることがあります。
・資格=公認会計士、行政書士、司法書士、社会保険労務士などの取得
・有効期間が10年のパスポートの取得
・裁判を起こすこと・・・民事訴訟法では、未成年者は原則として訴訟能力がなく、1人で訴訟を提起することが出来ないとされています。成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、1人で裁判を起こすことが可能になります。
・性同一性障害の人が、性別の取り扱い変更の審判を受けられる・・・これは特例法があり、家庭裁判所に性別変更の審判を申し立てることができる年齢を「20歳以上」としていたが、18歳以上で出来るようになる。

成人の年齢が18歳に引き下げ!何が変わるのか?【まとめ】

変わらないこと=20歳にならないとできないこともあります。

・飲酒
喫煙
・競馬、競輪、モーターボートなどの公営競技

これらは、健康面や非行・ギャンブル依存の防止などの観点から今までどおり20歳以上にならないと出来ません。

成人の年齢が18歳に引き下げ!何が変わるのか?【まとめ】
成人の年齢が18歳に引き下げ!何が変わるのか?【まとめ】
成人の年齢が18歳に引き下げ!何が変わるのか?【まとめ】

そのほか・・・・

・養子を迎えること
・大型・中型自動車運転免許の取得

これらも20歳以上にならないとできない。

成人の年齢が18歳に引き下げ!何が変わるのか?【まとめ】

成人の年齢が20歳から18歳に引き下げられるが・・・

1人でいろんな契約ができるようになるが、悪質な契約をさせられるなどのトラブルも想定され注意喚起されている。1人で無理して決めようとせず、信頼できる人などにアドバイスをもらうように。

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